1.美少女に突然ファンだと告げられて

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 色白の小顔に大きくつぶらな瞳、紅く潤う果実のような唇。  綿菓子みたいに軽そうなふわふわの髪が風でなびき、華奢な肩幅をさらりと撫でる。  噂で聞いたまんまの姿で、すぐそこに美少女が立っていた。  今年、四月に入学してきた一年生、白河 百合菜だ。みんな彼女に愛着を込めてと呼ぶ。  正直、噂を聞いた時は何が美少女だと鼻で笑ったけれど、初めて目にして納得した。  うん、美少女だ。 「ね、きみきみ〜! 絵のモデルとか興味ない?」  突然走り寄るタツにギョッとし、チャレンジャーか! と心の中で突っ込みを入れる。  白ゆりは両手に抱えた教科書で顔を隠し、逃げるように走り去った。  そうだ。噂によると白ゆりは男が苦手だった。 「や、引くって。普通」  美少女に届かぬ手を伸ばしたまま、タツが本気で落ち込んだ。 「一年よね、確か」  杏奈が腕を組みながら、ふぅんと呟いた。  描いて欲しかったとやさぐれるタツを、とりあえず「スマン」と言って宥める。 「あの子、和奏の絵見てたねーっ?」  そこに飾られた額縁を見上げ、杏奈に腕を引かれた。必然的にを見る事になる。
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