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「おーい、転校生」
一瞬自分が呼ばれたのかと思って振り返りかけた僕は、慌てて視線を別の少年、鈴木勉へと向けた。
鈴木勉。
彼は、僕がこの街に来るより二ヶ月ほど前に転校してきており、僕が来た時にはすでに転校生というあだ名で呼ばれていた。
父親の仕事の都合で転校を繰り返す僕にとって、転校生というあだ名はいつだって僕のものだったのに、今回だけは違う。だからっていうわけじゃないけど、彼は僕にとって初めての同志、みたいな気がしていた。
そう。転校生同志。
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