2.壮史 (21歳 学生 就活中)

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 サアアーと窓の外から、水を撒く音が聞こえた。  住人の志摩さんだろう。  志摩さんは最近よく庭で過ごしている。  杉さんの発案で、先日庭を大改造した。志摩さんが自然に飢えていたからだ。  人一倍真面目そうな志摩さんは、こうなってからどこにも出かけていなかった。  俺なら公園や散歩くらいは行っただろう。バイトの帰りなんかにひょいと立ち寄ったかもしれない。  「我慢が上手い人は大変だな」と杉さんが言った。俺もそう思った。  このシェアハウスの庭は誰も手入れをしていなかったから、荒れられるだけ荒れていたけれど、他の住人と一緒に改造した。あれは楽しかったなと思う。  久々に男三人でちょっと遊べた気分になった。  階下に住む志摩さんと、遥香さんは知らないと思うが、二階の俺、杉さん、つかちゃんは時々三人で飲んだりする。  頻繁ではないがそういう交流もあった。もちろんこの家のルールも変わって今はそういうこともできていない。
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