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「おかえり、ライラ」
「ただいま……」
ナヤと別れた後帰宅したライラは沈鬱な表情で荷物をその辺に置いて手を洗って出迎えたサフィールに近づいた
彼はライラの頬に軽く当てる程度のキスをして挨拶をした
「今日はチキンのトマト煮だよ。
細かく切ってるし、トマトの味でお肉が苦手な君も食べられると思うよ」
サフィールは帰ってきたライラを認めて楽しげに今夜の献立について話した
「ありがとう……」
ライラは気持ち半分で聴きながら気落ちした様子で返事を返した
彼の姿を見た瞬間から、ライラは彼に抱きつきたくてたまらなかった
「どうしたの? 何かあった?」
「サフィ……」
ライラは彼の懐にがはっと抱きついて彼の鳩尾に顔をぐりぐり埋めた
「言ってごらん?」
彼はライラを優しく受け止めて抱き返してくれた
「サフィ、好き」
「嬉しいよ。君から甘えてくれるなんて。なんで君はこんなに可愛いのかな」
「私達ずっと一緒よね? 離れたりしない?」
ライラは彼の匂いをすんすん嗅いで彼の体の感触を感じて不安な気持ちを吹き飛ばそうとした
(安心する……。サフィもこんな気持ちで私の匂いを嗅いでいるのかしら?)
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