ステレオタイプ

　すっかり調子づいたカインは、或る日、コインの豪邸を訪ね、携えていたキャンバスをコカインの絵でございますと言ってコインに見せました。
　すると、コインは色眼鏡で見て、「おう、これは素晴らしい絵だ！」と絶賛しました。
　予想通りの反応にステレオタイプめとカインは心の中で罵り、ほくそ笑んで言いました。
「そうでございましょう。流石はコイン様、お目が高い！で、お買いになってくれますでしょうか？」
「ああ、もちろん買うよ。」
「いかほどで？」
「う～ん、そうだなあ・・・」とコインは言いながらコカインの絵だから相当高い値を付けないといけないなあと思いこみ、見栄を張って破格の値を付けて絵を買うことにしました。
　ですからカインはまた大儲けして大金持ちになりました。
　で、コインに対し、ど素人の僕の描いた絵だとも知らずに・・・話にならない程の節穴だと完全に軽蔑しました。