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素封家のコインは駆け出しの画商であるカインと付き合っていました。
或る日、コインはカインとバーへ行った帰りにカインにこう言われました。
「コイン様はいい女にお持てになりますから羨ましい限りです。」
すると、コインは得意げに言いました。
「僕は絵の良し悪しが分かるように女の良し悪しも分かる。それに対し、いい女は分かる男だと認識して僕に寄って来る。だから僕はいい女に持てるんだ。」
「なるほど。」
「君も僕のように美意識を高め、審美眼を養えば、いい画商になれるし、いい女に持てるようになるよ。」
「はあ、なるほど。有難い助言をいただきまして誠にありがとうございます。」とカインは口では礼を言いますが、寄らば大樹の陰で女はお前の金を当てにしてお前に寄って来るのであって審美眼も糞もあるものかと思いました。
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