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その夜ソフィアは広いベッドに一人きりで身を横たえた。
いつもなら聞こえるセオドアの寝息がないと、この部屋はこんなにも静かなのかと思う。
今頃セオドアは何をしているのだろう…。オリバーの白い肌に、唇を這わせたりしているのだろうか。考えたくない想像が、振り払っても振り払っても浮かんできてしまう。
それもこれもセオドアがいけないのだ。ソフィアをほったらかしにしておくから。
(明日、殿下が戻られたら、思っていることを出来るだけ伝えてみよう)
枕を抱きかかえながら、ソフィアは一人決意を固める。
抱いてほしいなんて直接的なことはとても言える気がしないが、サマセット伯邸への度々の訪問の理由くらいは聞いてもいいだろう。そしてオリバーとの関係も。
次の日、夕刻になってセオドアは戻ってきた。
風呂に入り、サマセット伯から土産にいただいたらしい生ハムを肴に、ワイングラスを傾けるセオドアの前に、ソフィアは怖い顔つきで座った。
「ソフィー、どうした? 私が留守の間に何かあったか?」
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