ep.1

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   電気を消して、真っ暗になった。窓から星をぼんやり眺める。山の上にあるだけあって、街灯や建物の灯りがない空は星が綺麗に見える。都会の薄く濁ったようなのとは全く違う輝きを追った。 「転校生かー……」  普通、その言葉を聞けば多少なりとも期待を抱くのだろうか。自分の時のことを思いだそうとするが、記憶は古くてどうしようもない。騒がれたような、静まり返ったような。  注目を浴びたのは間違いない。おれが心配しているのは、転校生がどう動くか。  理事長が直前まで隠したのはきっと───  そこまで考えて邪推が過ぎたと頭を振るう。乾いた失笑が漏れる。  伊織ちゃんがわざわざ理事長に反してまで話したのだって、そうして整理したかったから。深読みしたって悪い方向にいくばかりだ。  アラームをセットして、夢の世界に入った。
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