ep.6

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 ついに定期テストまで2週間を切り、授業を真面目に聴く生徒が増えた頃。 生徒会も何日かおきに行けばいいので、勉強することにした。はあ、だる。  学生の本分ではあるが、好きだとはお世辞にも言えない。 「次は古典にしようかな」  教科書開いてぱらぱら捲って。いまだ範囲は出ていないが、該当するところをやっていく。  おれは漢文が苦手なので、白文に目を通しながら訳を横につけておく。小難しい名前の登場人物と地名など固有名詞のメモをひっぱりだして、ぶつぶつ暗唱。返り点に注意しながら文字の動きをなぞるように確かめる。 「ろばにも漢字があるんだね……」  当たり前ながら漢字ばっかりで目が滑る。ろばはひらがなの方がかわいいよ。謎の文字を書けるようにしておきつつ、古典担当のおじいちゃん先生が優しい問題にしてくれないかな、なんて考える。ただ東雲はテストもレベルが高いので、教科によって差はあるにしても温情はあるかわからない。 ──ぐぅ。しばらくは集中してやっていたが、お腹が鳴ったので顔をあげる。時計を見れば1時をとうに過ぎており、お昼にしようと立ち上がった。  がっつり手を抜こうとしたが、ちゃんとしたものにしようと思い直し冷蔵庫を開けた。美味しい物が食べたい。 ──小鍋にバターを切り落として軽く溶かしたあと、小麦粉をふるって火を入れる。その後に牛乳を加えてだまにならないようかき混ぜたら塩で調整してベシャメルソースの完成。  パンにベーコンを挟んで焼いてから、チーズとソースをのせてもう一度トースターで焼き目をつける。 「バルサミコあったっけ……」  空いた時間にレタスをちぎる。トマトと一緒にボウルへつっこんで、オリーブオイルと普通のお酢、砂糖で和えたらガラスの器に移した。  ほどよく表面が焦げたので、オーブンから取り出してお皿にのせる。白い煙がのぼるクロックムッシュとサラダをテーブルに置いて手をあわせた。 「いただきます」  熱いのでおそるおそる持ち上げて、ふちから噛った。うん、美味しい。あつい。  少し冷まそうと先にサラダに手をつけて、もぐもぐ咀嚼しながら午後の予定を考える。このまま自室でばかり勉強するのもいいけれど、図書館に行くのもいいかもしれない。おおざっぱな計画を立て、いまは氷水を取りに行くことにした。まだ熱かった。  

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