エピローグ9

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エピローグ9

俺は心臓の高鳴りを感じ息苦しくなっていた。 それは身体に流れる血液が激しく流動している事が感じ取れたからだ… 『なんだこの心臓の高鳴りは…』 その時、奇妙な情景が脳裏に現れた… その情景は微生物のような生き物が血液と一緒に勢いよく流動していた… その情景を例えると群れをなす小魚が捕獲を逃れ勢いよく逃げまどう様に感じ取れたのだ… 激しく血液の流動から身体は熱を発し呼吸をすることがやっとであった。 「…「タダ」さん…どうしたのですか?」 「この高熱で…」 「モチダ」がモニターから監査室の異変に気づき部屋に訪れた… 「どうしたのでしょうか…?」 「急に心臓が高鳴り…」 「血液の流れが速くなったような?」 すると「モチダ」が… 「え、血液の流れ…」 「モチダ」は何かに動揺した様な言葉を… 「…「タダ」さん…それって…」 俺は呼吸をするのがやっとであったが… 「頭の中に微生物の様な生き物がイメージできて…」 その言葉を聞いた「モチダ」は顔が蒼白して… 「どうしてなのだ…」 俺は呼吸を整えながら… 「ハァハァ…」 「…「モチダ」さん何が起きたのですか?」 「…」 「モチダ」は言葉を選んでいた。 どのぐらい沈黙していたのか… 「ハァハァ…」 「…「モチダ」さん…教えて下さい…」 「モチダ」は重い口を開き… 「…「タダ」さん…新たな生命体が貴方の中に…」 俺は耳を疑ったが… しかし、その言葉を… 穏やかに受け入れることが出来… 「ハァ…ハァ」 「悔いは無い…」 俺は旅立ちを決意したのであった…
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