《絞殺》

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《絞殺》

朝8時… 俺は覚醒した。 いつから眠り続けていたのか? 記憶が無い。 両方の二の腕が重く… 掛け毛布を剥ごうとしたが… 握力が入らない。 「どうしたのかなぁ?」 俺は独り言を呟いた。 そして、テレビリモコンのスイッチをONにした。 するとテレビ画面にニュースが映し出された。 ニュースの内容は殺人事件の内容であった。 俺は特に注目していなかったが… 「おや?」 『昨夜、殺人事件が発生いたしました』 画面左上に「東京都品川区のマンション」と字幕書がかれていて… 『亡くなったのは…』 『五反田、SM風俗店に勤めるノガミマチコさん37歳….』 テレビ画面に「ノガミマチコ」の写真が写し出された。 『首に鬱血した奇妙な跡が見られ…』 『絞殺された疑いがありますが…』 『現在、警察で取調べています』 『部屋は物色された様子が無く…』 『知人関係などから事情を聞いているとの報告を…』 『警察から受けています』 俺は唖然とし思わず呟いてた。 「スザンヌ…」 「ノガミマチコ」は俺が通うSM風俗店の風俗嬢であり… 源氏名を「スザンヌ」としていた。 「スザンヌ」は俺が指名する女の子であった。 先週、水曜日に店に出向きプレーした事が脳裏を過った。 「ターさん、いつも指名ありがとう」 俺は「タダ」である事から「ターさん」と呼ばれていた。 俺がこの店に来るようになったのは俺の欲望をほぼ満たしてくれたからだ… 俺の欲望は限りなく射精する事… そして異常ではあるが下半身… ペニスへの刺激…激痛を与えてくれるこのSM風俗店が俺はお気に入りだった。 そしてもっとも気に入ったのが風俗嬢「スザンヌ」であった。 「スザンヌ」はスレンダーなのだが… 巨乳で尻がデカくいやらしい容姿をしていて… 顔はベビーフェイスでそのギャップがたまらなかった… しかし俺が一番惹かれたのは… 言葉責めと下半身ペニスへのいたぶりであった。 「スザンヌ」は俺にとって快楽を与えて… 天国に導いてくれる女神であった。 俺は40分のプレーで4回射精していた。 多い時は5、6回の射精は当たり前であった。 そんな「スザンヌ」が… 俺は目を瞑り… 「スザンヌ…」 「死んだのか…」 俺は虚無感が全身を捉え… たまらない気持ちになっていた。 どのぐらい目を瞑っていたであろうか? 目を開けた瞬間… 脳裏に… 断片的に「スザンヌ」が現れた。 それは、フラッシュバック映像で「スザンヌ」が悶絶する風景であった。
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