ご主人様 VS 長靴をはいた猫

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むかーし、むかーしのことです。 貧しい粉引きが死んでしまい、三人の息子が残されました。 一番上の兄はサラ。 「私、水車小屋をもらって、それで商売するから、よろしく~」 誰かが何かを言う間も与えず、さっさと水車小屋へ引き込もってしまいました。 どうやら噂では、西洋においては物珍しい白黒の動物を飼い、見世物小屋の準備にも抜かりがないとのこと。 しかし、アッキーに手伝いを頼んだら、『今年は丑年ですからね!』と真面目に仔牛を連れてきたということを、ほとんどの者は知りません。 二番目の兄はタバ。 「ロバをもらって、作物を耕すでし! それか、荷物を運ぶお仕事でも始めるでし!」 無数の可能性を秘めたロバを引き継ぎ、ご満悦のタバ。背中にまたがり、カウボーイごっこもお手の物。 ただし、薬屋の前に置いてあるオレンジ色のゾウに乗って身につけた技であることは、誰もが承知のことです。 そして、公園にあるようなビヨ~ンと乗って動く遊具を次々に増やす『おこちゃまを楽しむぞ☆計画』を実行するため、虎視眈々とチャンスを狙っているのです。
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