story10:男子集結‼

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story10:男子集結‼

駆から男同士で集まりたいから、 とっておきのランチを用意して欲しいと 広美は頼まれた。 当然大樹から朱音との話も 聴きたいだろうし 駆だって トップアイドルのひとりだから 簡単にその辺の店に行けばいいとも いかないから協力することにした。 ザ.プライムのマンションの 広美と駆の部屋に3人の男が集結した‼ 「いいんだけどさ~社長が部下の家に 来るなんて聴いたことないよ‼」 広美がキッチンで準備しながら 苦笑いした。 ほほえみ不動産社長の裕貴が 初めてやって来たから。 「俺と広美さんの仲じゃん‼」 裕貴は誘われたのが嬉しかったようで 爆弾一言?を滑ってしまう。 「裕貴さん、広美と昔からの 知りあいとは聴いてるけど何それ?」 ヤキモチ焼きの駆が目の色を変えた。 「イヤだなぁ‼目の色変えちゃって‼ カケさんってば~知らない方がいいよ?」 裕貴はわざと駆をあおる。 「まさか昔、広美と何かあったワケ?」 「あるわけないじゃん‼ねぇ?」 「実は~って そう言いたいところだけど 大学時代、学校は違ったけど サークル仲間のひとり。 広美ちゃん、こう見えて酒強くて からかうと面白くてさぁ‼ 女子たちの中で一番気さくでね‼」 「それって喜んでいいのか、 何だかビミョ~だねぇ?」 「卒業してもダラダラ繋がっていた サークル仲間でさ。 広美ちゃんとは下町に住みたいとか 転職先で悩んでいたりしたからね。 その繋りかな~」 それでも駆は疑いの眼差しで 裕貴を見つめた。 「。。広美になびいたことは?」 「広美ちゃんがどうこうじゃなくて たまたまそうなるきっかけが なかったんじゃない? 俺、大学出てから一度 すぐに結婚しちゃったし。 だから広美ちゃんとは、いい友達で ずっと来たね。 仲間内で一番付き合い長いわ」 「ちなみに私からもそれ以上なんて 何もなかったなぁ‼ 互いに異性と思ってないからね‼ マジ気兼ねない親友‼」 「これって今日のお題でもあるよね? 大樹のこと。 男女の友情ってアリなのかなぁ?」 「それは、あるよ‼うちらがそうだもん。」 「あると思うけど片方が惚れちゃったら 難しいかも。」 「そうだね!それ以上に ドチラかが転んでしまったら 友達やっていくの無理かもね?」 3人で会話してると メインの大樹と一矢がやってきた。 「広美さん手づくりの旨い飯が 食えるから嬉しいっすよ‼ ハマるっすよ‼」 大樹、嬉しそう。 「俺も楽しみ‼ 南波、まったく料理出来ない。 しないんで。。」 一矢、滅多に言わない 彼女、南波のことを口にした。 「ウチの美穂も出来合いばっか 買ってくるよ‼ 母さんに言われても聴かないし」 「美穂ちゃんは光貴くんと穂貴くん 難しいお年頃で大変なんだから 多目に見てあげてよ‼」 裕貴の息子の名、こうき.ほたか 大樹は、まず収納棚を見た。 …アノこけし、見当たらないべ?… 大樹、衝撃の出会い⁉ 駆、自作のHIROちゃんこけし‼ 部屋のなかを見回したけど 見当たらない。 …隠しやがったべなっ?… 「カケさ~ん、HIROちゃん何処だべ?」 駆にこっそりたずねた。 「HIROちゃん?何のこと?」 駆はしらばっくれた‼ 「カケさ~ん‼よく出来てるんだから 隠さなくてもいいべ?」 「なーんにも隠していないよ? お前、夢でも見たんじゃないの?」 「ゆ‼夢なんかじゃないっすよ―――‼」 「何、二人でコソコソ話してんだよ?」 「イヤーー‼カケさんって実はさぁ‼」 「お待ちどぉ‼出来たよぉ‼ テーブルに来てよ‼」 残念ながら広美の呼び掛けで 話良いとこ打ち切られた‼ 「今日は、男子集結なんでカツ丼だよ‼」 カツ丼に、具だくさん味噌汁を添えた。 「お――――――――――っ‼」 4人から歓喜が挙がる‼ 「カツ丼ったって、お肉は大樹のふるさと 群馬の幻のポーク 瑠偉美豚(るいびとん)だからねっ‼」 ―実際には存在しませんです― 「うわ――っ‼地元でもなかなか手に入らないっすよ‼県民すら取り寄せ大変‼」 「瑠偉美豚?凄い名前‼ そんなブランド肉があるんだ?」 「大樹は有料‼本日は2000円也‼」 「大樹だけ有料なのかっ?」 4人爆笑‼ 「そんなぁ~」 大樹、へこむ。 5人で楽しくカツ丼を食す。 「うわぁ‼衣、サクサク‼ 肉もジューシーなのにサッパリ‼ 何コレ?メチャ旨ぇ‼」 「味噌汁‼おふくろの味‼しみるぅ~」 「広美さんの味だよっ‼最高っ‼」 「広美さん、これ極上‼凄いっすね‼ ウチ取り扱いの空き店舗で 店開いたらいいのに‼」 一矢、絶賛! 「俺も前、同じこと言った~」大樹 「広美ちゃんならテナント料、 思いきり勉強してあげるよ?」裕貴 「イヤイヤ!喜んでもらえれば充分だよ!」 「美穂にも見習わせなきゃな。。」 「広美さん‼やっぱ今度、南波に 料理教えてやってくださいっ‼ カップ麺に熱湯注いだだけで 料理したよって言うんだから‼」 マジか―‼それはヒドイなぁ‼笑 「家に一度、南波さん連れてきたら? 教えるなんて偉そうなことは 出来ないけど 一矢が好きな食べ物 一緒に作ってみよっか? 何が好きなの?」 「俺の一番の好物は鰻パイッ‼」 一矢、静岡県出身だっけ 「えぇっ?鰻パイってそれ無理だよぉ‼ ってかまさか鰻重ってヤツ?」 「鰻重、もっといいねぇ‼じゃあ鰻重で‼」 「次回は皆で鰻重呼ばれよう‼最高っ‼」 …私に炭火で鰻を焼けってか? 鰻はさすがに出来合いだろ…広美、苦笑 ※※※ 食後、男同士の会合というわけで 「じゃあ、私は美穂ちゃんと 駅前のカフェにお茶しに行くから‼」 広美は、出かける準備をした。 「どうせ昼から酒盛したいんでしょ?」 「ういっす‼」 「仕方ないなぁ。。」 広美は軽いオツマミを用意してあげた。 カツ丼を出したのも あんまり呑みすぎるなよと ワザと腹を膨らませてやる魂胆だった。 「じゃあ、始めますか‼」 駆が冷蔵庫から缶ビールや、ハイボール、 酎ハイを出してきた。 「焼酎、日本酒、ワイン、シャンパンもあるから遠慮しないでよ‼」 「よっ‼酒処カケルッ‼」 「昼間っから嬉しいべ‼」 「これが天国っちゅうもんよ‼イェ~イ‼」 男4人、昼から酒盛が始まった。 「で?大樹、あれから朱音とどうなってるわけ?」 「パズドラ以上の仲になっちゃったのか?」 「やっぱ聴いてくるんすね?」 大樹は照れくさそうに頭を掻いた。 「そりゃ知りたいさ~‼」 「言いたくて堪らないんだろ?」 「イ、イヤ~パズドラっすよ‼」 「高級店でグルメばっか食ってる みたいじゃん?」 「まぁね‼お陰さんで詳しくなったべ‼ 何でも聴いて‼」大樹、鼻高 「まさかそんな店でパズドラ やってるわけじゃないよな?」 「ホテルとか行っちゃってるんだろ?」 「ほとんどマン喫~ホテルも行ったけど」 「ってことはっ‼」 3人、眼がギラめいてくる‼ 「朱々さん、さぞ綺麗なんだろうなぁ」 「どうよ?美人女優って」 「いい香りがしそうだな⁉」 「しかもFカップだろ? 俺なら朝まで何回やれるだろ。。へへっ」 「イヤ~、いとこだから想像したくねぇけど、しちゃうわ‼」 3人は一気にイヤらしい妄想 エロテンションが挙がってゆく。 「あ、あの、まだ何もしていないっす‼」 大樹は、耳まで真っ赤にして口にした。 「またまた~‼ガキじゃないんだから 恥ずかしがるなよ‼」 「本当にまだ。。。」 「二人でホテル行ったんだろ? まだなわけないじゃんねぇ‼」 「何か。。もったいなくて出来ないんす。」 「。。まぁ分からないでもないけど でもねぇ、あり得ないっしょ?」 「もしも俺の嫁さんになるまでは 待つことにしてるんす‼」 「はぁ―――?何じゃそれ?」 「お前、いつの時代の野郎?」 「でも、キスはしたよな?」 「それもまだっす。。」 「 ホテルに行って何もないとは?」 「あの。。普通に眠っちゃったんで」 「二人とも?」 「飲み過ぎもあって」 「ってことは、やっぱ パズドラ友達のままかぁ」 「あのさ、朱音のこと好きなんだろ? 抱きしめたいとか思わないわけ?」 「あ、抱きしめられたっす‼」 「抱きしめられた?何それ――?」 「あ、そっか‼大樹、チビだもんな‼」 「朱音の方が少し背が高いや‼」 大樹除いて3人大爆笑‼ 「周りがとやかく言う必要はないんだけど 結局大樹は朱音とどうなりたいわけ?」 駆が真面目に聴いてきた。 「パズドラ友達でもいいっすけど、 欲をいえば嫁さんにしたいっす。」 「何だ?そりゃ」 「パズドラ友達と嫁、全然違うんだけど?」「結局、嫁にしたいってことだな‼」 「。。嫁さんにしたいっす。」 「朱音を嫁にねぇ。。芸能人の女子は 我儘だから苦労すると思うなぁ。」 「お前が女優を嫁にねぇ。。う~ん」 「女は皆、我儘よ!」 「まぁパズドラ通じて仲がいいなら 可能性がなくもないか?」 「でも俺と広美ちゃんの例もあるからね。 男女隔てない友達」 「それでもいいんじゃないの? 女優と友達ってだけでも凄いや‼」 「裕貴さん?マジ広美のこと一度も 思ったことないの?」 ヤキモチ焼きの駆は、 さっきの話を何だか信じず まだ引き摺っている。 かなり、ねちっこいのねぇ~ 「。。彼女が商社退職した時はね、 俺が独身だったらどうしていたかな? って言えばいいの?」 「。。やっぱりな」 「そんな気になれないくらい広美ちゃん、 可哀相だったのが事実だよ。」 あの時の広美ちゃんを思い出すと辛いよ。。 「商社勤務時代の広美ちゃんさ、 アラサーになってから勤め先の同僚と 付き合うようにって やがてはプロポーズまでされたんだよね。 色々結婚の準備も始めていたみたい。 でも相手が同時に広美ちゃんの 直の後輩とも付き合っていたらしくて ある日婚約指輪を出されて、 そりゃ本人喜ぶわな。 でもはめてみたら 全然自分の指のサイズじゃない。 何これ?ってなったら 相手がその指輪のサイズの女と 結婚することになったって カミングアウトしたらしい。 相手は同じ部所の後輩で 仲も良かったらしい。 広美ちゃん、結婚披露宴まで呼ばれて 出ないわけにも行かず我慢して出席して で、後輩は寿退社したけど 男の方が変わらず毎日顔を合わせるわけで 耐えられなくて退社したんだよ。」 「違う女の指輪を突き出すなんて 酷いヤツだな‼」 「何、考えてンだべ?その男は。」 「別れるったって、そのやり方あり得ないわ」 「披露宴に呼ぶのもどうよ?」 「広美さん、可哀相過ぎるっす。。 俺、そこまで知らず失礼を何度も言ったべ。。」 「同じ頃、たまたま大学時代の サークル仲間の飲み会があって げっそり痩せて何か様子がおかしい 広美ちゃんと再会してね。 必死に何でもない素振りをしていたけど、 朗かに違っていた。 その後、俺は心配で個人的に連絡とって 無理矢理また会ったんだ。 で、話聴いて。。 こうなったら環境も生活も すべて変えた方がいいってなって 下町に引っ越し勧めて ウチの会社に入ってもらったんだよ。」 一同、シュンとなった… …広美っ‼思いきり抱きしめてやりたい‼… 駆は堪らなくなって目が潤んだ。 「カケさん、済まない。。 奥さんの過去を喋っちゃって」 「いや、聴いてヨカッタ。 俺が一生広美の傍にしっかりいようと より思ったよ。」 「なら、ヨカッタけど」 「色々あるもんだな‼」 「本題は大樹なのにそれちゃったな。」 「大樹‼お前が深夜、居酒屋で バイトしているのは 朱音の為だよね?」 「高級めし屋ばっかじゃ負担だよな」 「大変だよ‼ソレ、俺なら無理かも」 「まぁ、それもあるけど 店長も仲間も良くて マジ楽しいんすよ‼」 「朱音はブランド志向。 我慢や無理をしてるなら 考えないとイケないよ?」 「そう‼我慢や無理なんて ほどほどじゃないと続かないよ‼」 「最初は、ぶっちゃけシンドイ 思ったけど 今は無理も我慢もないんすよ‼ バイトはバイトでハマってるし 好きな人の為なら 何でも出来るもんすねっ‼」 …大樹。。本気なんだな… 「でも本命や友達がいるのに 大丈夫なのか?」 「あ、本命とは別れたみたいっす。。」 …その場面に居合わせたっすから… 「マジか⁉」 …blue‐mountain社長、 アイツ‼やっと朱音から離れてくれたか… 駆は何かを知っている様子。 「本命と別れたなら狙い目じゃんか?」 「そうだよ‼パズドラ友達なんて 言ってる場合じゃないよ‼」 「嫁さんになったらじゃないよ‼ 押し倒せよっ‼」 「え――っ⁉そんなぁ‼」 酒も進み、酔っ払ってきたゆえ 4人の会話が更にエスカレート‼ 下へ~下へ~ 「まさか、大樹ってチェリー?」 「いや‼よく言われるけど いくらなんでも違うっす‼」 「でもさ、プロ専門だもんな‼」 「。。素人さんとは経験不足で 自信ないんすよね。」 「じゃあ‼俺たちでテク教えこむしか ないじゃんね‼」 「中学生の性教育ってか⁉」 「順おって全部教えたるっ‼」 「手取り足取り実践付きだっ‼」 なんて言いつつ あぁ。。何ちゅう会話にねぇ~ 「大樹のってデカいよな?」 「イヤイヤ、フツーっすよ⁉」 「イヤ、このメンバーの中じゃ 一番じゃん?」 「俺もそう思ってたよ‼」 「名器になるかも知れねぇよっ?」 「マジっすか~?」 まず、嘘でも何でもいいから 大樹に自信を持たせてやろうとする 3人の男の思いやり⁉ 経験元より、嘘か本当か自慢話に 加えて 観て聴いたモノもありで 話が盛り盛りっ‼ いい大人が高校生男子の如く。。 そして擬似実践にまでエスカレート。。 「お初はさ、まだ服来たまま ジワジワと攻めるんだよ‼」 「マンネリ化してきたら、 ちと荒々しくしてやると 更に燃え上がるよな‼」 裕貴が大樹を抱きしめて押し倒す。。 「一発目はまずこの体位で こう手を絡ませたらいいんだよ‼なぁ?」 「お~‼ソレソレ‼」 「そう‼ガキじゃないんだから ハヤる気持ちをコントロールして 大人の男っ‼」 「で、動かす前に 一度ギュッと抱きしめてやるの‼」 「これで彼女は もうどうにでもしてってなるんだ‼」 「こんな体位もイケるぜ‼ 彼女の表情見れるし‼」 「俺、この体位で昇天したぜっ‼」 「や‼やめて~ダメっすぅ~‼あんっ‼」 何してるんだか。。呆 「先輩方―――――っ‼ 大変勉強になりました――っ‼」 ※※※ かなり出来上がった男4人衆。 「そういや、広美たち帰って来ないなぁ?」 駆が時計を見ると 夕方6時になろうとしていた。 「主婦二人で呑み屋にでも 入っちゃったんじゃん?」 「有り得る‼お互いさまだね‼」 「何か〆にラーメン食いたいっすね?」 「食べに出るか?」 「イヤ‼ウチにラーメンあるハズ‼」 駆が冷蔵庫を覗くと インスタントまぶちゃんラーメン 3食分がストックされている‼ 「あった!あった! まぶちゃんラーメンだ‼ 。。でも3人前かぁ」 「買ってきますか~?」 「いや、かなり腹一杯だから 充分じゃん?」 「おっ‼瑠偉美豚 もうひとパックあるじゃんよ‼ ネギも卵もあるっ‼」 酔いどれ男4人 〆ラーメンを作るぞ‼ 「俺、麺とスープやるわ‼」駆 「俺、居酒屋酒呑童子バイトの 名打って、ネギ刻むっす‼ 瑠偉美豚も切って焼いて チャーシューの代わりにするべ‼」大樹 「それ、最高っ‼」一同 「俺、卵茹でて入れたいっ‼」 一矢、早速鍋に水を張って 茹で卵作りスタンバイ‼ 「それもいい、いいっ‼皆、スゲェよ‼ 俺、ほとんど台所に立ったことない。」 「社長裕貴様、お坊っちゃまだからね‼」 「実家暮し、そのまま結婚‼」 「アイドルのカケさんすら 独身それなりやったっすよね‼」 「だねぇ、一矢や大樹の年齢の頃 バリ独身だったな~」 「せめてもの器やら並べさせて頂きます。 カケさん、ラーメン丼何処ですかぁ?」 4人のファインプレーで 〆のラーメンお待ちどお‼ 麺やスープより具材でてんこ盛り‼ ギツシリ敷き詰められた 焼いたスライス瑠偉美豚に ゆで卵とタップリネギ乗せ ―豪華豪快なラーメンが完成‼― ラーメンをすすり始めた4人。 「ヤッベェ‼これっ‼」 「う‼旨すぎるっ‼」 「何これ?極上じゃん⁉」 「コレ、インスタント まぶちゃんラーメンじゃないっすよっ‼ 店で出せるべ‼」 その時、広美と美穂が帰ってきた‼ 「うっわ――っ‼何してんのっ?」 空いた酒の缶やビンが散らばっている リビングで4人の男が ラーメンを食べているではないか‼ 「〆のラーメンだよ~‼」 嬉しそうに酔いどれの笑顔を見せる。 広美は、キッチンの散乱の様子を見て 叫んだ。 「つ、作ったのっ⁉」 「そうだよ~‼この1杯4本槍っ‼」 「最高っす‼スミマセン‼」 「ゴメン‼君たちの分ないわ、許せ‼」 二人の嫁は鬼女の如く豹変‼ 「もぉっ‼他所のお家で失礼だと 思わないのっ‼ そんなに呑んで、食べて 散らかしてっ‼ ちゃんと片しなさいよっ‼ 自分ちと違うんだからっ‼」 裕貴の妻美穂が一喝 「昼間、カツ丼出食べたのにっ‼ こんなに呑んでラーメン食べて 知らないよっ‼ ブタみたいなアイドルなんて 干されるからっ‼ ジニーズ首になるよっ‼」 広美が駆に一喝‼ …嫁って怖ぇ~な? やっぱ俺たち一人モンでいいかもよ?… 大樹と一矢が視線を見合わせ コソッと喋った。 「キャ――――――――ッ‼」 広美がキッチンのゴミ箱の中を見て 叫んだ‼ 「アンタたちっ‼まさか瑠偉美豚まで 食べちゃったのっ?」 ゴミ箱の中に瑠偉美豚の入っていた 箱、パックが捨てられていた。 「うん‼チャーシュー代わりに‼ やっぱメチャ旨かった~♪」 「もうひとバックは メゾン下町の大家さんに 頼まれていたのっ‼ 明日届ける約束してるのに どうしてくれるのよっ?」 広美お怒りMAX‼ ―え―――――っ‼マジかっ‼― 4人青ざめ‼酔いが一気に飛んだ‼ 瑠偉美豚、既に4人の胃の中に~♪ 「お、俺っ‼まず頭下げに行きますっ‼ 申し訳ないっ‼」社長裕貴 「群馬県民としてスグに 何とか取り寄せますっ‼ スミマセンっす‼」大樹 「俺も伝当たってみるから許せっ‼」駆 「僕もお取り寄せネットショップ 全部検索してみますよっ‼ ゴメンなさいっ‼」一矢 「とにかくっ‼全部綺麗に片して お開きにしてねっ‼ もうこうなったら美穂ちゃん‼ 私たちも呑みに行こっ‼」 「それ賛成っ‼今夜息子たちには カレー用意してきたからダイジョウブ‼ この人、こんなに呑んで食べて もう夕飯いらないし」 「そうね‼駆だって 今夜、もう何もいらないでしょ‼ って与えるわけにはいかないよ‼」 「えっ?君たち居酒屋ハシゴして 帰って来たんじゃないの?」 「ずっとカフェにいた~ 私たち、まだ呑んでいないっし――‼」 「まだまだつもる話があるもんねっ‼」 ―何だ、俺たちと変わんないじゃん‼― 4人の男はやれやれと片付けに励み 広美と美穂は、嬉しそうに 再び近所の居酒屋に出かけて行った。 「実はね~メゾン下町さんに 瑠偉美豚届けるなんて嘘なんだ~‼」 「分かってますよ‼広美さんっ‼」 広美と美穂、互いに親指を立てて 突き出して笑い合った‼ 勝ち誇った嫁たちの笑み‼ 「マジ、誰かがお取り寄せして きちゃったらお裾分けするねっ‼」 「嬉しい~‼いいんですかぁ?」 まぁまぁ、お互いさま~ 仲良く美味しく楽しんでいってね~♪
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