story4:大樹‼マジか?

1/1
前へ
/15ページ
次へ

story4:大樹‼マジか?

風浦大樹。。憧れの清瀬朱々. 朱音に奇跡の生対面を果たし パズドラで盛り上がってしまっただけで 恋の暴走のエンジンが徐々にかかってゆく‼ そこでまた駆に相談を持ちかけ 広美の作るご飯も食べたいと言い出した。 厚かましいヤツだね~ 「広美、大樹のヤツさ‼ またウチに来たがっているんだけど? LINEが来てたよ。」 「会社でも何度も寄ってきて 飯食わせてくれって懇願してきてる。。」 広美は苦笑いした。 「あんまり頻繁になるなら金取ってやるか?」 「ホントだよね‼まぁ取るわけにいかないけどさ」 …こうなったら広美オーナーシェフ‼ こけし食堂? レストランこけし? 開いちゃおうか‼ なーんて言ったら怒られそ‼… ―何で店の名前がこけしなのっ‼― 「朱音ちゃんを呼んでとは言ってないの?」「何故か朱音を呼んでとはないんだな。 てことは? 広美、まさか大樹の胃袋掴んだかっ?」 駆はニマッと笑った。 「え--っ、それって困る~。。」 …私も。。もし‼ 朱音ちゃんの立場なら引いちゃうかなぁ。。 悪いヤツじゃないんだけどねぇ。。… ※※※ 「ほらっ、大樹の大好きな牛丼だよっ‼」 広美、大樹に熱々出来立ての牛丼に 卵をつけて味噌汁も出した。 「うぃ---っ‼最高っ‼頂きまっす‼」 大樹は嬉しそうに牛丼をかけ込む。 「味わって食えよっ‼」 「。。んすっ‼。。んっすっ‼」 「有り難いと思えよっ‼」 「旨んめぇ~‼ヨキ牛と違---うっ‼」 「当たり前だろ?ヨキノ屋の牛丼と 広美の料理一緒にすんなよっ‼」 今日の駆はいつになく怖い? 「極上っ‼毎日食いたいっすぅ‼」 「大樹‼今日から一杯1000円頂くよ? ヨキ牛より良い肉使ってるんだからねっ‼」 「毎日払いますっ‼払いますっ‼」 「毎日来られたら困りますっ‼」 広美は大樹にイー---ダッ‼をした。 ※※※ 大樹の今日の相談、お願いは。。 朱音と連絡先を交換して せめてものLINEやり取りがしたいと いうものだった。 「大樹、マジかっ?」 …悪いけど見込みないぜ?… 駆はこの状況は、 もしやと想定していたから 落ち着いて応えてあげた。 「一度会えて満足じゃないの? 普通は絶対にデキナイことなんだよ?」 「朱音さんにこないだのこと ちゃんと謝りたいっす。。 またパズドラやりたいんすよ‼ 朱音さんからのLINEにも パズドラしましょうって あったじゃないすか‼」 大樹は滅多にない真剣な表情だった。 「大樹。。アレ社交辞令だよ?」 「そう、朱音ちゃんの優しさね‼」 二人は訴えてみるものの 「俺‼やっぱり朱音さんと会えた奇跡の 先の奇跡を信じたいんすよ‼ カケさんと広美さんみたく」 「私たちみたいに、と言われてもねぇ」 「カケさん、広美さんに 結構猛アタックしたんすよねぇ?」 「まぁ。。。したのか?」 駆は広美をチラッと見た。 「そうだねぇ~step1だの 何やら妙な極秘プランは あったみたいだけど?」 「それは俺だけのシークレット‼」 「カケさんっ‼それ教えてくださいっ‼」 「イヤイヤ、アレは大樹は マネしちゃダメだなっ‼ 朱音にコロされちゃう」 「え--っ‼広美さんにはO.K.で 朱音さんはダメなんすか? 何それ―――――っ‼ 教えて------っ‼」 大樹はいきなり立ち上がって 収納棚に飾ってある 駆の自作HIROちゃんこけしを 咄嗟に掴んだ‼ 「あー---―――っ‼、 俺の大事なHIROちゃんっ」 「こないだも気になったんすけど、 コレ広美さんに似てないすか?」 「ダメだっ‼触るなっ‼」 二人はじゃれるように揉み合って 駆は必死に大樹から取り返した。 「絶対に触るな~っ‼あ゛~っ」 駆は唸り、この世のものとは思えない オドロシイ表情をして HIROちゃんこけしを撫でまわした。 「HIROちゃんって。。 そんなにこけし撫でまわすなんて」 大樹は、人生で一番凄いモノを 見たぞくらいの驚きの表情だ‼ 「まさかソレ、カケさんが作ったんすか?」 「あぁ、俺の、じっ‼」 …駆っ‼こけし趣味カミングアウトは アカンっ‼… 広美は咄嗟にモノ凄い力で 駆を羽交い締めするように頭を抱えて 口を塞いだ。 …ひっ‼広美っ‼俺をっ。。コロす気かっ?… 駆は、もがき苦しむ。 そして遮るように 「あ―――っ‼ソレお土産に頂いたのっ‼ 奥さんに似てるって‼ 私によく似てるよね-―――っ‼」 広美は叫んだ‼ …大樹にこけしシークレットがバレたら 大変だぜよっ‼…広美の眼は血走っていた。 「カケさ~ん‼ もしや広美さんと離れてる時は ソレ抱いて寝てるんすか? ヤッベェ―――‼」 大樹は愉快そうに腹を抱えた。 「飾ってるだけだよ――――――――っ‼」 駆は息を吹き返し叫んだ。 「今、思いきり撫でまわしたじゃんね~ イヒヒッ‼」 大樹、勝ち誇った笑み。 …ゲゲッ‼やっちまった‼… 「カケさんっ‼最後のお願いっ‼ 朱音さんと連絡先、交換したいっ‼」 「悪いけど多分、無理だよ。。」 「カケさんが広美さんこけしを 撫でまわしているって バラしていいんすかぁ~?」 「うっ。。。‼」 駆‼挙動不審状態‼ …決して見られてはならぬ姿を 見せてしまったっ。。 この世のオワリだっ‼… ※※※ …大樹に弱味を握られてしまった。。 ナントカしなきゃ… 駆が恐る恐る朱音に 大樹の意をLINEで伝えると 以外な返事が帰ってきた。 :いいよ、LINEくらい:朱音 KACE:マジ?大丈夫なの?: :ちと、オモシロそうじゃん(≧∇≦):朱音 KACE:俺たちはもう責任持てないからね!朱音の自己責任だよ。 ヤバイことだけはしないように‼: :コアラとパズドラしたいだけ(^^ゞ:朱音 …コアラって? 大樹のこと、コアラってか‼ もしや、大樹を実は気に入ってしまったのか? でも大丈夫かなぁ。。 朱音、一体何を考えているのかな。。… 朱音の真意、不明 ※※※ 「ヒャッホ―――――――イッ‼」 朱音と連絡先が交換出来た大樹は、 コアラのように木に登り詰めて 地に足がつかず舞い上がった‼ …もう清瀬朱々は俺の彼女だっ‼… くらい思い込んでしまっている。。 コアラ、アララ 早速大樹は失言お詫びの文書から LINEで送った、 さすが一応?ビジネスマン。 業務的な始末書のような 完璧なお詫び文を送った。 …会社じゃないんだよ!全く… 朱音は読んで笑わずにはいられなかった。 …誠意あるちゃんとした文章。。 コイツ、アホかと思ったけど 仕事はちゃんと出来るヤツ?… 大樹:朱音さん、マジまた一緒に パズドラやりませんか?: :いいよ‼ただし朱音が行きたいレストラン予約出来たら付き合ってあげる:朱音 大樹:何という店?絶対に予約する‼: :金座にあるリッツ.カネイル.ド.ホニャラポワン.ムッシュ.コージっていうお店! ヨロ(*^▽^)/★*☆♪:朱音 …リッツ.カネ?ナンだかコージ? やたら長っげぇ名前の店だべ… ―それは不可能に近い無理難題だった― 大樹はスマホで検索してみると トップでその店の情報が出てきた‼ 40代前半の急上昇カリスマ 凄腕オーナーシェフ郷田浩司。 本場フランス、ミシュへラン5つ星名店で 活躍して去年帰国して金座に店を構えるも早々、ジャパンミシュへラン5つ星に 認定されたフレンチのニューフェイス店。 予約は2年先まで埋まっている‼ 大樹は店舗情報やメニューを検索してみた。 うっわぁ―――――――――――――っ‼ 悲鳴を挙げた‼ 見るも美しすぎる芸術的フレンチ料理写真の数々‼ ◇記念すべき日のプランは オーナーシェフ郷田と直接ご相談くださいませ。 オーナーシェフ郷田が全身全霊をかけて 至福のご提供をお約束致します。◇ …いわゆる時価ってヤツ?怖っ。。… 一番リーズナブルプランのランチすら …この一人前料金、居酒屋なら どんだけ呑めるべ?… 大樹の腰が半分抜けてしまった。 予約カレンダーを確認すると ズラリと満席マークで占められていた。 「あ―――っ‼ダメだべっ、こりゃ。。」 大樹はため息をついた。 しかし画面を滑らせていくと 1ケ所だけ空席有りの欄があった‼ 開いてみると 〇月△日17時30分空席1 と表示されている。 急なキャンセルがあったのか、 丁度2週間後だった。 ディナーメニューのプランを見ると 一番リーズナブルでも お一人50000円だった。 「うわぁ~‼二人で100000円ってか? 酒代は別だべ。。マジかよ。。 海外旅行に行けちゃうべっ‼」 …スゲェ世界があるんだな。 さすがにこれは無理だべ、トホホ。。… でも―――――っ‼ 大樹、気づいた‼ …通っているキャバクラ代、 数重ねりゃ変わらないってヤツ? 朱音さんとお付き合い出来るなら 俺、もうキャバクラ行かねぇべ?… もう俺はキャバクラに用はないっ‼ こうなったら奇跡に全部注ぎ込んでやるぅ―っ‼ 大樹はさっさと予約画面に進んでしまった。。 大樹:お店、〇月△日17時30分予約出来ました‼会ってくれますよね?: …。。マジっ‼ どうして?どうやって?。。… 朱音は、ドラマ撮影の休憩中だった。 …亮介も翔平も、景博すら予約取れないって嘆いていたのに。。ウソだよね… 朱音は動揺を隠せなかった。 …わざと絶対無理難題を投げつけてやったのに一体何なのっ‼クズコアラって‼ 何で~?何か笑えるっ‼… 思わず手にしていたドラマの台本を丸めて アチコチ叩きながら 壊れたように笑いが止まらなかった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加