6. パンダ、逃げ足速し!!

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6. パンダ、逃げ足速し!!

まだ、パンダはとても美味しそうにタバコを吹かしている。 フウウゥゥ〜〜〜。 タバコを吹かすその音も原田たちの耳に聞こえてくる。 ニヤッッ 再び、パンダがこちらを向いて笑った。 何度見ても、嫌な笑いだ。 と、その時だ。 ポイッ! 「あ!!!アイツ、タバコポイ捨てしやがった! ったく、俺たちの目の前で。 絶対、俺たちのこと舐めてるとしか思えん!!」 原田が、遂にキレた。 猛然とパンダに向かって、突き進む。 「は、原田さん!! 危ないですよ!!」 周りの警備員の制止も聞かず、突進する原田。 だが、パンダは一枚も二枚も上手だった。 あの嫌らしい笑みを浮かべながら、素早く手すりの上に乗るとそのまま跳んだ。 ヒョイッ ドンッ タタタタタタタタターーーーーーーーーー!!! 天井の少し出っ張ったところを器用に掴むと、屋根に飛び移ったのだ。 「お、おい! 上に行ったぞ! 屋根伝いに走ってるぞ!!」 「お、おい! 待て、こらああ〜〜〜〜!!」 再び、追跡劇が始まった。 だが、想像以上にパンダは速い。 速すぎる。 どんどんパンダとの距離が空いていく。 と、いきなりパンダが屋根の上で立ち止まったのだ。 下を見下ろすように、仁王立ちだ。 ぜいぜい息を切らしながら、原田たちがようやく追いついた。 「お、おい!パンダが立ってるぞ!パンダって二足歩行できんのか?!」 原田が上を見上げながら、叫んだ。
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