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「ホ、ホントですね………。パンダって二本足で歩けましたっけ?」
他の警備員も口をポカンとあけながら、のん気に上を見上げている。
上から見下ろすパンダの視線。
警備員たちに痛いように突き刺さる。
「な、何をするつもりでしょうかね……?」
皆が固唾を飲んで見守る中ーーーーー。
ヒラッッ!
「あああぁぁ〜〜〜〜!!」
皆、呆気にとられた。
パンダが跳んだ。
地上に向かって飛び降りたのだ。
何とも身軽な身のこなしだ。
二階建てのアウトレットとはいえ、屋根からだと10メートルはあるだろう。
そんなことは御構い無しに、パンダは跳んだのだ。
「お、おい、この高さだ!大怪我するぞ!打ち所が悪けりゃあ、死んじまうぞ!!」
原田がそう叫んだ瞬間、鈍い音が響いた。
ズドドドンッ!!
「お、おい! 下だ!下を見に行くぞ!!」
既に稼働を停止しているエスカレーターを原田たちは怒涛の勢いで駆け下りた。
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