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一気に駆け下りた原田たちが見たモノはーーーーー。
完全に直立しているパンダであった。
腰に両手を当て、自慢げに立っている。
どうだっ?
と言わんばかりの表情だ。
床は衝撃で少しヒビが入っている。
セクハラ、ポイ捨て、器物破損ーーーーー。
パンダは次々と罪を重ねていく。
この先、いったいいくつ罪を犯すのか?
原田の脳裏にそんな想いが渦巻く。
と、次の瞬間。
クルクルクルッ!
パンダが、後方にバク転をしたのだ。
すると、180°反転すると今度は四つ足で物凄い勢いで走り去った。
目にも止まらぬ速さだ。
一瞬の出来事に原田たちは全く反応できなかった。
パンダが消え去った暗闇を唖然と見続ける原田たち。
と、あの空手経験者の警備員がパンダが立っていた辺りで屈みこんでいる。
「ア、アイツ……。は、原田さん、これ見て下さい。」
原田も同じように屈んでよ〜く見ると。
「あ、あの野郎……。こんなところにオシッコまでしてやがる!
どれだけ、人のことバカにすりゃあ気が済むんだ?」
これで、パンダの罪がもう一つ増えた。
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