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1. パンダが動いてる!!
「ねえ〜〜、ちょっとエリカ!どうしたの!バスの時間、間に合わないわよ!!」
友人の高木 萌の声を振り切って、夏川 エリカはUターンすると猛ダッシュし出した。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!」
慌てて、高木 萌が追いかけてくる。
「だ、だって、携帯に財布までお店に置いてきちゃったんだもん!
戻るしかないっしょ!!」
「もう〜〜、そうならそうと先に言いなよ!いきなりUターンして走り出すんだもん。びっくりするじゃない!!」
ふくれっ面の萌にエリカが申し訳なさそうな顔を向けた。
「ご、ごめん、ごめん。急に思い出したもんだから。つい……。」
「もう〜〜、ホント、エリカは昔から一言足りないのよねえぇ〜〜。
で、でもさあ、もうお店閉めちゃってるんじゃない?
間に合うのかな?」
心配顔の萌とは裏腹にエリカは自信満々に口を開いた。
「大丈夫よ。週末は片ずけに明日の仕込みでそんな簡単には終われないって。 たぶん、黒田さんや河村さん辺りはまだ残って仕事してるはずよ。
あ、あと、料理長もね。」
息を切らしながら二人が従業員用のドアの前に立つと、聞き慣れた声が店内から聞こえてきた。
「ほらね、言った通りでしょ?」
エリカは自慢気に友人の萌に言った。
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