僕と彼女の逢瀬

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桜丘 龍(サクラガオカ リュウ)は俺の幼馴染のひとりだ。 丘の上には1本大きな桜の木が咲いていて、そこが彼の眠る場所だ。 リュウは今から2年前にこの世から旅立った。これからも一緒にバカやって一緒の時を過ごしていけると思っていたのに突然だった。リュウの母親から連絡をもらった時は嘘だろ、リュウがあいつを残していなくなるわけがないそう思ったからだ。いや、信じたくないその気持ちのが大きかったんだと思う。 病院へ着いた時、あいつは暗い廊下のベンチで一人頭を抱えて座っていた。俺が近づいていくと足音で気がついたのか顔をあげてから静かに立ち上がって俺を見つめていた。 どれだけ長い間泣いていたのか分からないほど目は真っ赤で、声を出さずにただ静かに両の目から溢れる涙に俺はどう声をかけたらいいのか分からなくて、ただ自分の胸の中にあいつを抱きしめてその涙が誰にも見えないように隠すことしかできなかった。 なぁ、リュウ。お前ならこういう時あいつにどんな言葉をかけたら泣き止んで笑ってくれるのかわかるんだな。なんでお前があいつを悲しませてんだよ。 バカ、俺じゃあいつを守れねぇのか一番わかってるだろ? 二人とも俺にとって大切で大事な人なんだ。 どちらかがかけても、意味がないんだ。 俺はどうしてもリュウにもう一度会いたくて国立の頭が良すぎる先生達が研究をしている'人出はならざるものを見ることができる鉱物'が専門の研究室に就職して調べた。 そこにいる教授や助手の人たちはなんというか一般常識が通じない人ばかりで何度も辞めたくなったけど、それよりもリュウにもう一度会うことが出来るならなんだってできたんだ。 そして、今日やっとリュウに会うことが出来たんだ あいつに手向ける花にキンセンカを選んだのはただ目についたオレンジ色がリュウの昔の頭の色に似てたただそれだけだった。 ーーーやっと、会えたな。待たせてゴメンなアカリ。 (キンセンカの花言葉は)(別れの悲しみ)
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