僕と彼女の逢瀬

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月に一度、私は彼に逢いに行く。 見晴らしのいい丘の上に大きな桜が1本咲いていて その下に眠ってるのが彼だ。 2年前の今日。彼は私の前から姿を消した。 どこかこの同じ世界で生きててくれればまだ救いはあるというのにそんな祈りさえ叶わずに今日を迎えた。 卒業してからシュウとは久しぶりにあった。あったと言ってもお互いに言葉を交わす事はなくてあぁいるなんという程度の認識なんだと思う。 彼がいなくなってからなんとなく避けられるようになってそのまま卒業、シュウは卒業プロムにも参加しなかったし四十九日もいなかった。私が見かけなかっただけかもしれないけど。 ボロボロの状態で病院のロビーのイスに座ってた私をただ黙って抱きしめてくれたシュウにはとても安心したけどリュウに会いたくて、会いたくて。ただひたすら涙を流してた私に、シュウはしばらく待ってていつか必ずあいつにお前を逢わせるからとそう自分にも言い聞かせているように呟いた。 シュウが誰かと話をしてるように桜の木の下へと続く道を歩いていくのが見えて私はそっと後を追いかけた。もしかしてあの時の約束を叶えてくれるのかもしれないという期待と不安。 今日の花は紫苑(しおん)じゃない。 私も、前に進まなきゃ。そう自分に言い聞かせて持ってきた花。 ーーーまたね。出会えるって信じてるから (スイートピーの花言葉は)(優しい思い出)(門出)
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