番外編 聖なる夜、幸せな時間

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 ***  パーティーは予想に違わず、始終どんちゃん騒ぎで大変なことになっていた。いきなりかくし芸大会みたいなことも始まるし、クリスマスパーティーというより忘年会といった感じだ。でも、今年は明日で仕事納めな人も多いみたいだし、忘年会といってもいいかもしれない。  とにかくひたすら笑い転げて顔の筋肉も痛いし、腹筋も痛い。明日、筋肉痛になってたらどうしようというほどに笑いまくり、楽しい時間を過ごした。  そしてようやくパーティーはお開きとなり、解散となる。花蓮さんが言ったとおり、それはちょうど日付が変わる頃だった。 「それじゃ、お疲れー!」 「酔って絡んで他人様に迷惑かけるなよ」 「はーい!」  そう言って、皆は方々に散らばっていく。このまま更に飲みに行くメンバーもいるようで、本当に元気というか、体力が有り余ってるというか。  私はもうくたくただ。パーティーが終わった途端に気が抜けて、今や眠気に襲われているくらい。 「眠そうだな」 「ん……帰るまでは頑張る」 「無理すんな。タクシー拾うから」 「え、でも……」 「いいから」  護さんが私の頭を優しく撫でる。そんな風にされると益々眠くなってしまう。  まだ電車は動いている時間だけれど、私たちは大通りに出て、タクシーを捕まえることにした。すぐに捕まるかなと心配したけれど、幸いタクシーはすぐにやってきて私たちはそれに乗り込む。しばらくは頑張って起きていたけど、車の揺れが心地よくて、瞼が勝手に落ちてくる。 「寝てろ」 「でも……」 「着いたらちゃんと起こすから」  そう言って、護さんは私の肩を抱き寄せ、もたれかからせた。  温かい……。  車の揺れと、温かい腕、大好きな人の匂い。これらに抗うことなどできるはずもなく、私はあっという間に意識を手放してしまったのだった。
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