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私が生徒会へ入るには、ちょっとした経緯があった。
春、四月。
私は重い足取りで学校への通学路をトボトボと歩いていた。桜の木には、美しい花が咲いている。それを見ても、心はちっとも弾まない。
「はぁ……」
口から出るのは溜息ばかり。
原因はたった一つ、簡単だ。「学校へ行きたくない」これに尽きる。
クラスでいじめにあっているとか、そういうことじゃない。クラスには少しずつだけれど、馴染んではいる。
授業についていけないのか、といったことも違う。これでも私は、入学式で新入生総代として挨拶をしたほどだ。成績はまったく問題がない。授業だって楽勝だ。
それなのに、どうして学校へ行きたくないのか。それは……。
「いまだに意味がわかんない」
私は元々、今通っている高校・明智学園高等部へ進学するつもりは全くなかった。それなのに、どうして通う羽目になっているかというと、県内トップの進学校である桜森高校への受験に失敗したからだった。
いまだにどうして落ちたのかがわからない。受験当日、特に体調が悪かったというわけでもなく、出来も悪くはなかった……はずなのだ。
直前の模試でもA判定が出ていた。自分でも合格を確信していたし、もちろん周りもそうだった。それなのに。
落ちた時は、本当にいたたまれなかった。塾の先生も、友だちも、両親も、まるで腫物を扱うかのように私に接した。そんな風にされることもキツくて、いっそ消えてしまいたいと思ったものだ。でも、現実に消えることなんてできるわけがない。
そんなある日、転機がやってきた。
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