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 こんな俺に、分かるはずがなかったのだ。  今まで十年間もほぼ毎日のように学校に通っていながら、月曜日が来るのが怖いなんて思ったこともない俺は――明日にならなければ良いのに、と嘆く彼女の抱えているものが、どれほど黒くて重たいものだったのかなんて。本当に、微塵も分かっていなかった。  だから彼女は死んでしまった。  俺を責めることもなく、何かを言い残すこともなく。  突然、消えてしまった。
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