第2章

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          リョクは周囲の人達の視線とか、そんな事を気にしてなどいられなくなってしまい、リョクは今すぐ暦を力一杯抱きしめたくて仕方ありません。  我慢の利かなくなったリョクは、暦の濡れて輝く黒髪と、水滴で光る素肌に触れたくなり、直に触れようとした、次の瞬間 ――――……。 「うっわあああぁぁぁぁ!!」 「坂谷君!!」  暦の叫び声を聞く暇もなく、足を滑らせたリョクの全身は勢いよくプールの中へと転倒してしまいました。  その拍子に水を大量に飲み込んでしまい、鼻の中にも水が入り込み、息苦しくてしょうがありません。  リョクはがむしゃらに手足を動かすも、身体は浮上するどころか沈んでゆくばかりで、上手く呼吸が出来ません。  最初からここで溺れ死ぬと分かっていたのなら、無理にプールで泳ごうとはせずに、暦のサーフパンツを脱がす事だけに集中して、その目的の為だけに一生懸命になれば良かった。  リョクは生命の危機よりも、更衣室で暦の全裸を拝めなかったと、拝みたかったと、薄れゆく視界と意識の中で悔やんでおりました。        
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