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第3章
リョクが目覚めた時、リョクは救護室のベッドの上で横たわっておりました。
「坂谷君、大丈夫?」
眉毛を八の字に曲げて心配そうに見つめる暦の顔が間近にある状況に、リョクは自分が死者となってしまったのかと、現実と夢の区別がつかなくて、おもむろにタオルケットを掴みました。
そして、ここは水中ではなく地上なのだと、自分は水死した訳ではないのだなと理解すると、朦朧としていた意識が徐々にハッキリとしてきます。
「あ、ああ……。平気」
上半身を起こして、何気なく壁掛け時計に視線を移すと、プールに落ちてから三十分ほどしか経過していない事にリョクは安堵しました。
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