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リョクはベッドに仰向けになって寝そべり、手足をバタバタさせている。
「あーぁ、プールに入らないで泳げる方法ってねーのかなぁ~~」
「アホか」
繁が茶化すように笑いながら、冗談半分に言った。
双葉はコントローラーを手に持ち、ゲームを再開させている。
「でもさぁ、リョクは何で急に泳げるようになりたいと思った訳? 一生泳げなくてもいい! 海もプールも一生行かない! って、あれほど頑固に言ってたのにさ」
視線はゲーム画面に向けたままで、コントローラーを手慣れたふうに指で操作しながら双葉が訊ねる。
プールや海といったものに関わらなくても、何も生活に支障をきたす訳ではないのだから、リョクは一生涯泳げなくても構わないと思っていた。
だけど、暦からプールに誘われたとなれば、海やプールといった泳ぎに関係するものに、いつまでも無縁という訳にはいかないのだ。
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