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第1章
リョクと暦がお互いに想いを打ち明けて両想いとなり、恋人としてお付き合いするようになってからというもの、リョクから暦への電話やラインの頻度は倍増しました。
移動教室や休み時間、グループ実習なども、リョクは常に暦と一緒に行動したがり、学校内でリョクと暦が一緒にいない日などはないというほどです。
お昼は必ず一緒に食べるのが日常茶飯事となっておりました。
リョクと暦、二人だけで昼食の時間を憩う日もあれば、繁、双葉、朱李とお昼を共にする日もあります。
リョク、繁、双葉の三人がふざけあい、じゃれ合うその隣では、暦と朱李がそんな仲良し男子三人の様子を微笑ましく見守りながら黙々と食を進めてゆきます。
その静けさの中で、暦と朱李もゆったりとした会話を織り成していました。
その光景は、まるで対談に不慣れなお見合いのようで、暦は朱李のたどたどしい一声一声を親身になって受け答えながら、暦も朱李に歩み寄ります。
話し上手ではない暦と朱李の対話は即座に終了してしまうどころか、時間を忘れてしまうほどに長引き、放課後の教室に居残って話し始めた日には、帰宅するのが遅くなってしまうという事態も度々起こりました。
そんな日はお互いに頭を下げて謝るものですから、どちらかが図々しい接し方に挑まなければ、このやり取りは永遠に引き延ばされてしまう事でしょう。
暦は都合が合えば、渚紗や歩菜と待ち合わせをして遊びに出掛けたりもしました。
そんな日も、談笑が途切れることはなく、暦の帰宅時間は遅くなりました。
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