第1章

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      意気消沈しつつある暦がプールの無料券を鞄に戻そうとしますが、リョクがそれを瞬時に打ち消して暦の気分を晴れやかにしようとします。 「嫌じゃねーよ。オレも森島と一緒にプールに行きたい!」  真実を隠してでも実現させたい。  暦からのお誘いは、リョクからしてみたら奇跡に匹敵するほどの重要性を誇るのですから。 「これってデートだよな!? スッゲー楽しみ!!」  いつでも直球に打ち放たれるリョクからの言葉は新鮮さを保ち、それは衰える事がありません。  恥ずかしさと照れ隠しから、暦はそそくさと小荷物を片付けて、足早に図書室のドアへと向かいます。       
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