マローン

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マローン

 何かが胸に触った気がして目を覚ました。 「不思議だわ、この男を触ってもいつものような悪寒がしないわ」 「姫様、私も同じくこの男の体を触る事ができます。不思議です」  瞼を開きそして視界がクリアーになっていくと俺の体に触れるセシリアとマリアがいて二人は高揚した顔つきで俺の体を拭いてくれていた。 「マリア、何だかここを拭いていたら大きくなってきたわ、どうすればいいのかしら」 「姫様、それは仕方ない事なのですよ、揉むかスライドさせるかすればそのうち治まります」  俺はたまらず体を硬直させた。こいつらなんてことするんだ。 「だめだわ、どんどん固くなるし大きくなるのよ、どうしましょ」  セシリアのつたない動きが気持ち良い。 「咥えてみたらどうでしょ、私が代わります」  マリアが咥えようとした瞬間扉の向こうから救いの声が聞こえてきた。 「コンコン! セシリア様、女王様がお呼びですので覇王の間までお越しください」 「わかったわ、今すぐに行きます。 もう、せっかく楽しくなってきたのに残念だわ」 「姫様、後は私に任せてお急ぎください」 「ダメよ、マリアも一緒に来るのよ、あなたに任せるとあなた一人で楽しむでしょ、だから一緒に来るのよ」 「私は楽しんで体を拭いているわけでは無いのですよ」 「つべこべ言ってないで行くわよ。マローン、マローンはいるかしら」 「セシリア様、私めに何か御用ですか?」    また可愛い幼女が入ってきた。メイド服が初々しい。 「あなた、この男を見張っていてくださいな。それと清潔な服に着替えさせるのと、食事をさせるのと後、誰も近寄せないでね。それから体は動けないままにしておくのよ、お願いよ」 「解りました」  セシリアとマリアが部屋から出て行った。これはチャンスだ。  マリアがかけた魔法は強力だが体を震わせる程度の事はできるようだ。  俺は白目をむいて体を震わせヨダレのような泡を吹いた。 「どうしたんですか急に! 苦しいのですか? どうしよう、どうしようか、困ったな~」  焦ってる、焦ってる、あと一押し、俺はブルブルと体を震わせた。 「……仕方ないですね、今死なれると怒られてしまいますのでヒールをかけましょう」  マローンは顔を赤くしながら俺の股間に手を当てた。 「人体を脈打つ流れよ、この体に完全な治癒をもたらせ、メガヒール」  やった! 完全復活!  俺は起き上がりマローンを押し倒し両腕を上から押さえつけ身動き取れないようにした。それでも騒ごうとしていたので彼女の足の間に俺の右足を入れ左足で挟んで抑えた。そして彼女の口は僕の口で塞いだ。最初は抵抗していたが徐々に静かになり涙目で俺をに身を任せた。カワイイ。 「マローン、静かにしてほしい、俺の名前はコサカイケンイチ、静かにしてくれるのなら君の上から降りるよ」  力を徐々に緩めるとマローンの体が硬くなり急に動こうとしたのでまた押さえこんだ。 「困った娘だな、それじゃこうだ!」 「アン!」  俺はメイド服の上から胸を揉み上げた。乳首らしい突起があったので右手で摘まむと彼女は悶えた。それにしても見事なツルペタだ。  だが彼女はまだ抵抗している。今度は股間の上に左手を当ててまさぐった。するとお馴染みの物が付いていた。 「そこはやめて!」 「驚いた! 君は男の娘か、まあいい、それならやりようも変わって来るってなもんだ」  俺は彼女の股間をメイド服の上からシゴキ上げた。時折先を摘まんでは刺激したりしながらしごいてやると3分程度でマローンは絶頂に達した。そして俺のキスを再度受け入れた。 「マローン、君とは良好な関係を築きたいのだけど良いかな?」 「はい、マイマスター」  マローンは首を縦に振った。 「マスターか、良い呼び名だ」  俺はマローンの頭を撫でキスをしてやるとマローンは俺に抱き着きモゾモゾしている。 「そういえばこの城の人間はみんな魔法が使えるのかい?」 「この城、いえ、このダイナマイト王国で魔法が使えるのは姫様とメイド長のマリア様とボクだけです」  ダイナマイト王国って! と突っ込みたかったがこらえた。  さて、これからどうしようか。さっきのメイド長が魔法を使った時は半信半疑だったがマローンの魔法で確信した。ここはどういう訳か異世界のようだ。しかしこのままではここのやつらに飼殺にされる気がする。なので早く元の世界に生還しなければならない。それにはたぶんレバノンの時と同等の爆発が必要な気がする。 「マローン、この国には爆弾はあるかい?」 「ありますよ、城内に大量に保管されています」  大量に保管って戦争でもするのだろうか? 「この近くに保管庫はあるかい?」 「あります、一番近い保管庫はこの部屋の真下にあります」  この国のお姫様は爆弾の上に寝ているのか! まあ、その辺の事はスルーするとして、この下の爆弾を爆破させたらもしかしたら元の世界に戻れるかもしれない。そして何よりなのは今回はこのマローンがいる、彼を一緒に連れて帰れば怪我をしていてもヒールをかけさせれば良いのだ。   「お嬢様やマリアはいつ頃帰ってくるの?」 「そうですね~ あと2時間は帰ってこないと思います」  僕は立ち上がろうとしたがふらついてベットに倒れた。 「立ち上がるのはちょっとまってください、まだ完治まで時間がかかります。それと食事を用意しますし服の着替えもお手伝いします」  どうやら血が足りないようだ。  「服は自分でやるから食事の用意を大至急お願いするよ。できれば精力が戻るような強力な食事をお願いしたいのだが」   「わかりました、では服を着替えたらベットに入って少し横になっていてください」  マローンが用意した服は病院の診察用の服に似ていてとても脱ぎやすい構造になっている。  数十分後、マローンが食事を運んできた。  俺はベットの上で半身を起こし料理を食べた。料理はどれも見たことのない形や色をしているがとても美味しく精力が一気に回復した。特に蛇のぶつ切りみたいなのが見た目はグロいがとても美味しいかった。それとマローンが口移しで食べさせることに固執した。理由を聞くと俺は動けない設定なのだから口移しでしか食べさせられないとの事だ。 「なあ、今は自分で食べられるのだが」 「ダメです、マスターは病人なのですから動かないでください」  あまり言うとマローンの機嫌を損なう可能性があるので今は彼の好きにさせてあげよう。 「お姫様とマリアがさっき俺を何かに使うとか言っていたのだけどあれは何の話しだったんだ?」  マローンが俺の口に着いた汁を舐めとった。 「はいマスター、お話しします。それはですね隣国のチョバム公国との夜会が今日開かれるのですが、そん時チョバム公国が用意した爆破競技が行われるのです。その爆破競技にマスターを出そうとしているみたいです」 「爆破競技ってそれは物騒な話だな」 「はい、チョバム公国が用意した爆破競技がいつも通りなら無茶な仕様なので多分死にます」 「フ~ン」  マローンが俺の顔を覗き込むように見ている。 「さすがマスター、余裕ですね」  マローンは必要以上にくっついてくる。 「それで何か賭けているのかい?」 「はい、勝った方が負けた方の優良地域の一つを奪取できます。こちらの希望はチョバム公国アーマド領マーベラス鉱山です。この鉱山からはマーベラス鉱石と言う爆弾の原料が採れます。あちらからはマーメイド泉と言う湧水が出る井戸を要求してきております。この水は若返りと美肌効果があるので近隣の他国で爆発的に売れているのです」 「聞いた感じでもそれはお互いの国でかなり優良な物件みたいだな」 「そうなのです、勝たないと国的に大損害です」  マローンの腕が僕の左腕に絡む。  「爆破競技の内容に関しては宣戦布告を受けた側が用意するので今回用意するのはチョバム公国の方になります」  ん? 今回ってこんなこと何回もやっているのか? こいつらバカだな。 「因みにどんな競技なんだ?」 「チョバム公国側の競技内容は細部は少し変わりますがほとんど変わらないので予想がつきます。勝敗の確定は死んだ方が負けです。爆発させても死ななければ勝ちですが爆発すると必ず死にます」 「なかなか面白そうだな」 「マスターは大物なのか馬鹿なのかわかりません」  そお言われても、事爆弾の事に関してはこちらはプロなのだ。多少の危険は覚悟できている。 「内容ですが、厚み5メートルの爆破衝撃吸収材で囲まれたキューブの中に各国1人づつ入いります。中には500BB~1000BB程度の威力の爆弾と剣と酸素濃度計と抽選用のルーレットが設置されていています。そして1時間以内にキューブ内の酸素濃度が19パーセントを下回ると抽選用のルーレットがまわり50パーセントの確率で爆発します。そして1パーセント酸素濃度が下がる都度ルーレットがまわり爆発の確率が10パーセント加算されます。最終はこのルーレットが5回まわった時点で終了となります」 「……」   「おいおい、どんなに頑張っても50パーセントの確率で爆発するルーレットを5回見ないといけないじゃないか」 「運が良ければ50パーセントの確率です。50パーセントなんてまずありえません」 「それで最後に生き残った方を当てたら勝ちになるのか?」 「いえ、勝敗に関しましては5回ルーレットが回り終わった時点で中の人間が何人生きているかを当てることで決まります」   「何かの思考実験みたいだな、蓋を開けて見るまで爆発したか解らないと言う事だな」 「この蓋を開ける瞬間がドキドキらしいですよ。ですがほとんどの場合二人とも死んでいます」 「中で戦っている人間に関しては生き残ったら褒章があったりするのか?」 「はい中で戦っている戦士に関しては両国の答えを外させれば勝ちです。そして一人で勝てば全取り、二人で勝てば折半になります。ですが今まで戦士側が勝ったことがありません」 「もしかして両国の答えは二人とも死ぬで固定されていないか?」 「はい、両国とも二人とも死ぬを選ぶのが通常です。このイベントは両国の親睦を深めるためのショーですので」 「この国の人間は趣味が悪いな。人間をオモチャにするとかありえん! 国民もみなこんな感じなのか?」 「そうですね、みんな爆弾を使った競技は賭けと言う認識は無いです。爆破競技はむしろスポーツに分類されています。一般的な競技は青赤線と言う競技ですし」 「もういい、それの説明は大体想像がつく」  こんな世界に長く住むと頭がおかしくなりそうなので早々に元の世界に戻りたい。   「ところでマローン、君はこの世界に未練はあるかい?」 「それはどおいったお話なのでしょうか?」 「いやなに、君のような男の娘はこの世界では生きにくいのではと思ってね、そうでなければ聞き流してくれ」 「はい、確かにボクの事情は姫様とメイド長のマリア様しか知りませんし、その他の人の前では女の子として生きていますので色々と大変です。もしボクが男だとばれたら他のメイドたちは大騒ぎですよ。それにいつも姫様の性的な相手をさせられてもう嫌なのです」 「そおか、では俺と一緒に別世界に行くかい、ここよりは生きやすいと思うのだが」 「行きます!」  即答かよ。 「そおか、ではそのように。ところでマローン、500BBとか言ってたが1BBはどれくらいの威力なんだ?」 「1BBは爆発で腕が1本無くなるくらいの威力です」  …… 「この下の保管庫には何BBくらいの爆弾があるのだろうか?」 「そうですね、2万BBくらいはあるかと思います」 「目いっぱい入れたとして何BBくらい入るんだ?」 「恐らく5万BBくらいは入ると思います」 「爆弾保管庫は他にもこの城の中にあるのかい?」 「この城には後2か所あります」 「ではマローン、俺がその爆破競技に出ている間他の倉庫の爆弾も全てこの下の倉庫に入るだけ集めてくれないかい」  早く爆弾の移動が済むようなら爆破競技会にも出なくて済むのだが…… 「どのくらいで移動できる?」 「そうですね12時間くらい見てもらえれば移動は完了します。  やはり都合よくはいかないようだ。  どうしても時間稼ぎの為に今日の爆破競技会には出る必要があるようだ。 「では、急ぎで頼む」 「わかりましたマスターの仰せの通りに作業を進めます」 「いい娘だ、こちらにおいで」  マローンが恥じらいながら近づいてきた。    俺はマローンの顎をクイッと上げて濃厚なキスをし抱きしめた。 「ではまた魔法で動けないようにしてくれ」 「はい、マイマスター」    
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