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姫様
「彼はちゃんと生きているかしら」
僕は薄目を開けて声のする方を一瞬見た、輪郭しか把握できないがどうやら姫様のご帰還のようだ。そのすぐ後ろからマリアが入ってきて扉を閉めた。そんな二人をマローンは丁寧なお辞儀で迎えた。
「セシリア様、仰せの通りしておきました。食事も僕が口移しで食べさせましたしたので姫様の指示されたことは完了しております。今は疲れたのか眠っています」
「そ、そう、口移しで食べさせたの、なかなか気が利くわね」
姫様は少し動揺している。
「彼の持ち物はこれだけなのかしら?」
マリアがテーブルに置いてあった俺の持ち物であるスマホを左手に持ちそしてその横に置いてある遠隔設置用起爆信管を右手に持ち不思議そうな顔をしている。そして遠隔設置用起爆信管だけをテーブルに置いた。
姫様はパスポートを開いて見ている。
「全然読めないわ、これは恐らく何かの身分証明書ね。そこに名前らしき項目があるけどマリアは読める?」
「ちょっと待ってください、今から魔法で翻訳します」
姫様が台の上にパスポートを置きマリアがその真上で右手を揺らした。
「文字を読み解き翻訳せよ、アクラータ」
「ニホンコク ※※※ ※※※ ※※※ ケンイチ コサカイ」
パスポートが喋った! これには驚きしかない。
「ケンイチが名前かしら それともコサカイかしら?」
姫様が頭をひねる。
マローンが何か言いたげだ。
「考えるのもめんどうなのでケンで統一しましょう」
おいおいお姫様、そんなに省略するなよ! と突っ込みを入れそうになった。
「ではマリア、ケンを起こして頂戴」
マリアが寝たふりをした俺の頬を2発思いっきりビンタをした。
俺はあまりの強打にビクッとしたが我慢してゆっくり目を開いた。
「あら、あら、お目覚めのようね」
姫様がベットに座って俺の頬をさすった。
「起きてすぐだけど少し聞いて欲しい話があるの、マリア、今日のイベントの説明をケンにしてちょうだい」
「わかりました」
おいおい普通それだけじゃ俺の状況と同じ人間に伝わらないだろ。俺は色々知っているから良いものを。
マリアはスマホを胸の谷間に押し入れた。
これはやばいことになってしまった、あのスマホは遠隔起爆信管を起動するために必要なのだ。しかも胸の谷間に押し込みやがってスマホの回収が一掃難しくなった。そんな俺の心配事をよそに彼女は説明を始めた。
その内容はマローンが教えてくれた内容とほぼ同じであった。少し違うのが俺をこの身動きできない状態で爆破衝撃吸収材で囲まれたキューブの中に入れるとのことだ。相手側も身動きできない病人を入れるらしいので条件をそろえたと言う。ここまであからさまに酸素を消費するだけの道具にされると思うとこの後この城を吹き飛ばすのも躊躇無く行える。
「説明は終わったようね、多分半分も理解できないと思うけど大丈夫よ、ケンは横になって呼吸をしているだけで良いのだから」
この女は……
「ではしばらくの間マリアとマローンはこの部屋から出て頂戴」
姫様の言葉にマリアの顔が曇る。
「姫様、ケンに何をなさるつもりなのでしょうか? それに二人にするなんて危険すぎます」
「大丈夫よケンはあなたの魔法で動けないのだから」
確かに今は動けない。
「それでも危険です」
「私が大丈夫だと言っているのだから言うとおりにして頂戴」
「……わかりました、では30分経ちましたら中に入りますのでそれまでに済ませてください」
何を済ませると言うのだろうか?
二人が退出したあとセシリアは全裸になりベットに上った。そして俺の右上に寝ころび俺の服の隙間から手を滑りこませ胸を撫でた。胸は顔に乗っかり左手は俺のモノを衣服から取り出しゆっくりシゴイた。
「ケン、今回の爆破競技会の事は別にあなたに恨みがあるわけじゃないのよ。でもね、あなたは都合の良い時に現れてしまったのだからあなたが悪いのよ。だからもうすぐ死ぬかもしれないあなたに少しの間快楽をあげるわ」
セシリアは俺の上にまたがり自分の膣に俺のモノを挿入した。そして俺の右手を彼女の胸に押し当て声を絞りながら上下に動き彼女は絶頂に達した。自分の快楽の余韻を終えるとまだ達していない俺のモノを咥え最後まで出し切ってくれた。こう言う優しい所が見えてしまうとなかなか恨み切れないものだ。
全て終わると姫様は俺の事が名残惜しいようで俺に覆いかぶさり長い口付けをしてきた。胸の弾力が心地よい。
「セシリア様、女王様がお呼びです。扉を開けますよ」
マローンの声が扉の向こうから聞こえてきた。
そして間髪入れずにマリアが入ってきてセシリアを俺から引き離した。
マローンも入ってきて素っ裸の姫様を見て顔を赤らめる。
「姫様! 女王様がお呼びです、早く服を着てください。マローン、姫様を手伝ってちょうだい」
「アア~ン もう少し」
「ダメです!」
セシリアは服を着せられるとマリアに腕を掴まれて半ば強引に部屋を出て行った。
残ったマローンが手はず通り俺にメガヒールをかけてくれた。
「プハ~ あのお姫様めちゃくちゃエロいな。それにあの胸は反則だよ!」
マローンが不機嫌そうな表情で俺を見ている。かなりご立腹のようだ。
「胸ですか、そんなに大きな胸が良いのですか!」
マローンを怒らせるのは今はまずい、彼がいないと計画が狂う。
「大丈夫、マローンはこんなに可愛いのだから胸なんかなくても魅力的だよ」
俺がそお言うとマローンが俺に抱き着いてきて素肌の俺の胸に顔を当てた。
「マスター、そろそろ爆破競技会の時間です。横にしたまま運び出しますのでベットに寝てください。それと動くと怪しまれますので麻酔を打ちます。今打てば丁度キューブに入った頃に感覚が戻りますので大丈夫です」
俺がゆっくり寝るとマローンは名残惜しい表情をしてゆっくり離れた。
「解った、打ってくれ」
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