武士

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武士

「暇だな~」  そう言って、雅人はベッドに仰向けになった。  そのとたん、窓ガラスを派手に突き破って、馬と武士が現れた。 「いま、暇だと申したのは、そなたか?」 「い、いえ、違います。」  雅人は咄嗟に嘘をついた。雅人は面倒なことがきらいだ。 「そうか、聞きちがいであったか。失礼した。」  武士は馬ごとターンして、割れた窓から出ていった。武士が出ていくと、窓は元通りに直った。 「あー、びびったァ。なんだ、あれ。」  雅人は上半身を起こした状態で、しばらく窓を見ていた。そして思い出した。
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