僕達の恋愛事情は、それは素敵で悲劇でした

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※※※  僕には、もうすぐ付き合って一年目を迎える彼女がいる。  そんな彼女には最近何か悩みがあるようだったが、「何かあった?」と聞けば、「ううん。何もないよ」と微笑むだけだったので、僕の勘違いかとそれ以降は特に気にすることもなかった。  ——それから数日が経った、ある日のこと。  大学のキャンパス内にある食堂で昼食をとっていると、目の前に座った由衣が少しだけ曇った表情をさせると、躊躇いがちにその口を開いた。 「……あの、ね。私っ……最近、誰かにつけられてる気がするの」 「……えっ? 」  少し間の抜けた声を発した僕は、食べかけの菓子パンを握った右手をゆっくりと下ろすと、少し潤んだ瞳でこちらを見つめる由衣を見つめ返した。 「えっ……。それって、ストーカーってこと?」 「うん。……たぶん」  それだけ答えると、暗い表情をさせた由衣は伏せた瞼を小さく震えさせた。  きっと、とても不安で怖いのだろう。そんな感情が表情から見て取れる。 「大丈夫だよ、由衣。僕がついてるから」  安心させるようにしてそっと小さな手を包み込めば、由衣は「ありがとう」と言って小さく微笑んだ。
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