追想のハルジオン

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あの日から僕はもう何度も同じ夢を見るようになった。 何にもない一面真っ白の空間に花が咲いてる。 茎も花びらもやたら細い、小さな白い花。 あの花は一体何のために咲いているのか。 その名前も、理由も、僕は知らない。 ただ、今日もあの花は揺れていた。 風に揺られて、歌うように優しく。 ジョウロを握る僕の目の前で、 ただずっと、揺れていた。
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