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「おい琉希。」
ぼーっとしてたら咲也の声が耳のそばで聞こえた。
「え?あーどした?」
「おまえいい加減にしたら?そんなに気になんなら合宿やめて帰ってもう一回ちゃんと話して来いよ。」
「あー。ごめん。」
もう2週間くらいみのりに連絡をできないでいる。
合宿つったって上の空で、ほんと咲也におこられてばっかだ。
練習中はがんばってるとは思うけど…
みのりに見せたかったとかまたそんなことに考えが及ぶものだからどうしようもない。
夏の予選後に右手を負傷した北郷は怪我人扱いで、別メニューこなしててグランドにはいない。
けど、北郷見たら、みのりと抱き合ってたあのシーンが目に浮かんで蹴り飛ばしたくなるし…
といってもコイツもプレーはそつがないし、それなりに打力もあるし、努力するやつだし嫌いじゃない。
けどムカつく…
といって、みのりに連絡する勇気はなく、
また
『ごめんね。琉希くん。わたし輝のこと好きになっちゃった。』
って言われるんじゃないかって思っちまって、怖くてスマホに手をのばせない。
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