11. 雨降って… 〜みのりside

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◇ 『今日は迎えに行ってやるから。練習午前終わりだし。』 合宿の休み後、初めて半日練習だったその日、琉希くんがバイト先に迎えに来ると言い出した。 『うん。わたし5時上がりだから。』 『OK。』 そしてその日、琉希くんが迎えに来た。 わたしはまだ勤務中で、お店のレジ前で応対中だった。 琉希くんはお店に入ってくるなりわたしを発見し、手をあげた。 で、わたしの前に来て、ニヤッて笑って、注文し始める。 「えっとー。ベーコンチーズバーガーと…ポテトと…コーラと…んで…」 「琉希くん。もうちょっと外で…」 小声で言うわたしにも構わず…続ける。 「あとさ。みのりの笑顔。」 それでニヤッて笑った。 「いいや。待ってる。あとどんくらい?」 「もう10分で終わる。」 そう言ったわたしは、前に立ってる琉希くんを見て、琉希くんがわたしの後ろを見てることに気づいた。 「え?茉祐子?」 「琉希?」 琉希くんはわたしのうしろにバックヤードから出てきた長谷川さんを見て、口をアングリ開けてそう言った。 「え?」
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