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◇
「みのり。」
「琉希くん。おめでとう。」
わたしの家の近くの公園。
最近じゃ人の少ない夜にここで会うことが多くなった。
「甲子園決まっちゃった。」
「うん。ほんとにすごいことだよ。」
「へへ。」
嬉しそうに鼻をかく。
「俺、やばいな。」
「え?何が?」
「今以上にモテちまうぞ。女が群がって離してくれねーかも。」
「そうだね。」
「いいの?」
「いいよ。別に。」
ツンって横を向くわたし。
「なんだよそれ。妬けよ。もっと。」
琉希くんはプッとほほを膨らませて、わたしと反対側の横を向いた。
「妬かないもん。だって琉希くんもわたしのこと好きだって言ってくれたし。」
わたしは琉希くんのほうに向き直る。
「それ、もう大分前だろ?」
琉希くんもこっちに向き直った。
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