347人が本棚に入れています
本棚に追加
第1章✈︎ 一、プロローグ
出発ロビーから見える滑走路の向こうの山が
白々と染まり始めた。
今年の初日の出も、職場か…
芹沢唯は、搭乗口で出発便の準備に取りかかる。
予約者情報など再度確認すると、
ボーディングブリッジの小さな窓から
少し昇り始めた朝日をちらっと見て
唯はCAとのブリーフィングに向かった。
年末の帰省客も落ち着いた元日の空港は
しばしの長閑さを取り戻していた。
夕方の到着便で、佑夏が帰省する。
勤務時間が終わっても、
ユーターンラッシュの対策準備などしていると、
気が付けば、佑夏の到着時刻が迫っていた。
唯は、制服のまま到着ロビーに向かった。
オシャレなコートに身を包んだ佑夏を見つけると
唯は、静かに手を上げた。
「おかえり。急いで着替えてくるから、
到着ロビーで待ってて」
「ただいま、おつかれさん」
着替えた唯は、祐夏と職員駐車場に向かった。
✈︎挿し絵
makoto.hさん〈飛行機と街並みのシルエット(羽田空港)〉
最初のコメントを投稿しよう!