第1章✈︎ 一、プロローグ

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第1章✈︎ 一、プロローグ

9929c8b9-0a5a-4374-b310-a8fba0e6aa3d 出発ロビーから見える滑走路の向こうの山が 白々と染まり始めた。 今年の初日の出も、職場か… 芹沢唯(せりざわゆい)は、搭乗口で出発便の準備に取りかかる。 予約者情報など再度確認すると、 ボーディングブリッジの小さな窓から 少し昇り始めた朝日をちらっと見て 唯はCAとのブリーフィングに向かった。 年末の帰省客も落ち着いた元日の空港は しばしの長閑さを取り戻していた。 夕方の到着便で、佑夏(ゆうか)が帰省する。 勤務時間が終わっても、 ユーターンラッシュの対策準備などしていると、 気が付けば、佑夏の到着時刻が迫っていた。 唯は、制服のまま到着ロビーに向かった。 オシャレなコートに身を包んだ佑夏を見つけると 唯は、静かに手を上げた。 「おかえり。急いで着替えてくるから、 到着ロビーで待ってて」 「ただいま、おつかれさん」 着替えた唯は、祐夏と職員駐車場に向かった。 ✈︎挿し絵 makoto.hさん〈飛行機と街並みのシルエット(羽田空港)〉
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