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「あれー?!クッキーがあらわれたぞ!?」
「まぁほんと!!」
二人は途端に笑顔になる。
「で、どちらがクッキーをたべるの?」
サミツの言葉でイワンとツインは顔を見居合わせる。
「おれだ!!」
「わたしよ!!」
また言い争いが始まった。
「なら、じゃんけんしたら?」
そう言ったサミツの言葉でイワンとツインはじゃんけんをし始めた。
一発目でイワンが勝った。
「じゃあ、このクッキーはおれがもらうな!!」
「あーー!!ずるい!!!」
そう言ってイワンがクッキーに手を取ろうとするがその前にクッキーがお皿から消えた。
何処からか来た鳥がクッキーをかっさらって行ったのだ。
「あーー!!!クッキーがぁー。」
「とりさんがクッキー持っていったぁ。」
そう言って二人は涙目になる。
「何言ってるの?クッキーならあるじゃんか?」
お皿の上を見るとまたクッキーが一つ乗っていた。
「あーー!!!クッキーだ!!」
「まぁ!!ほんと!!」
「で。このクッキーはどっちがたべるの?」
「おれだ!!」
「わたしよ!!」
「ならトランプできめたら?」
そうサミツが言うとイワンとツインはトランプを始めた。
今度はツインが勝った。
そしてツインがクッキーを取ろうとすると今度は犬が何処からか現れてクッキーをかっさらって行った。
また二人は涙目になるがやはりお皿の上にクッキーが1枚ある。
そしてサミツの言葉でまたどちらがクッキーを食べるか勝負になった。
勝敗は照らし合わせるかのようにイワン、ツイン、イワン、ツインと順番だ。
もう日暮れになりそうでそろそろ屋敷の中に入らなければならない時間になるまでそれは続いた。
「ねぇ。ふたりともみててね。」
そうサミツはクッキーを手のひらに乗せる。
クッキーを両手で挟み、手を開けるとそこには三枚のクッキーがあった。
「おぉ!!」
「すごーーい!!」
クッキーは一枚づつ三人で食べた。
夕食の時にイワンとツインはお父様とお母様に今日の出来事を話す。
「それでな!!サミツの手は魔法の手なんだぞ!!」
「それでね!!あのお皿は魔法のお皿なのよ!!」
夕食後、部屋を出ていこうとするとサミツは両親に止められた。
「今日は何をしたんだい?」
夕食ではイワンとツインばかり喋ってサミツは終始ニコニコしているだけだった。
「んーとね。イタズラ。」
「イタズラ?どんなイタズラだい?」
「まほうでどうぶつつくった。あとねクッキーなにもないところからだした。イワンもねツインもねしようにんのひともごえいのひともびっくりしてたんだ。」
サミツのとしで動物を魔法で創るなど天才としか言い様がなかった。
イワンは剣術に才能がある
ツインは勉学に才能がある
サミツは魔法に才能があった。
三人はいつも一緒で楽しく明日も過ごすのであった。
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