もう、止めよう。

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 だから、優勝したのだからこんな関係はやめた方が良いんだ。 「だから、もう止めよう。こんな関係は」  そう言った俺の声は震えていて、膝も震えていた。  この言葉を聞いた彼女は乱雑に頭を掻くと、髪ゴムを取って髪を整える。  スカートの下から覗く膝小僧をすり合わせて、顔色を伺うようににちらりと顔を覗く。その瞳に映る姿は、可愛い女の子そのものであった。 「なんで、このままでいいじゃん。付き合うの、嫌なの」  低い声を出した彼女は、怒りをにじませた声だった。思わずびくりとしてしまうが、ここで蹴落とされてはダメだと足にグッと力を入れる。 「だからって、こんなの嫌だ。俺は君と付き合いたい。けど、こんなの間違ってる」 「何が間違ってるっていうの」 「何がって、全てが間違ってるよ」
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