もう、止めよう。

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 俺は抱えていた頭を上げて頬を右手に乗せて、覗き込むようにして彼女を見る。彼女は俺が君の言葉に逆らえないと信じて疑っていないようで、真っ直ぐに俺の目を見て言葉を待つ。  その顔には自信が満ち溢れていて、初めて会った頃のような不安な色はなくてホッとする。そんな彼女を改めて好きだな、と思った。 「気が向いたら、ね。その頃には俺の身長が伸びて、お前の制服が入らなくなるかもしれないけどな」  笑いながら宣言すると、それを受け取って彼女も笑って宣言する。 「望むところよ、私も同じ分だけ伸びてやるから」 「いや、それだけはマジ勘弁して。それ以上は伸びないで欲しいです」  反射的にそう答えてしまい、一瞬空気が止まった。そのことがなぜかおかしくて、二人して笑った。そして制服を交換して、手を繋いで帰った。
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