白の試験者

　マガジンラックに何冊かのお姉さまが胸の谷間を強調しておられる雑誌類が並んでおり、横のテーブルに小さめのモニタとＤＶＤプレイヤーと、何枚か成人向けと思しき（いや、知っているのだが）ＤＶＤソフトが置かれている。これらのツールによって射精可能な状況を作ってくださいという事なのだった。
　勿論優しいお姉さまが導いてくれるなどという事を期待していた訳ではないが、ちょっとこれはハードルが高いのではないか。
　時間制限などは言われていないが、何となく気忙しい感覚があって落ち着かない感じだった。こんな状況で「採精」できるだろうか。
　しかし私は世界を救う為、人々の役に立つ為の第一歩を踏み出さねばならい。蛮勇を奮い立たせて、マガジンラックとＤＶＤソフトを見比べ、我が心と右手の恋人、水無月ハルカ氏のソフトを見つける事ができた。