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その空模様を見ながら船長は部下に、
「続行かどうするのか、ヤツに訊いてこい」
部下は船室に急行すると、この旅の主宰者であるKに訊いた。
Kはビールを飲みながら、
「きょうは特異日。続行!」
それを聞いた船長は、一考し、
「念のため全員の救命具を用意しておけ」
そして前方の天候を見詰めて表情を曇らせた。
船室の方では、全員にビールが行き渡り、上機嫌だった。
船の揺れが一段と激しくなってきたので、ふらふらと立ち上がると、自己流のダンスを始めた。
KもPやWと適当に踊りだした。
しかし、全員で酔いながら踊っているため、混雑の中、自分の体を支えるために、両手を伸ばして近くの者の肩につかまることにした。
船の揺れは益々激しくなってきた。
船室の者たちは、それぞれ手でつかまり合っていても大変だと、今度は四つんばいになってウロウロ歩きだした。
そうやって歩きながらKは、鹿のように首だけ高く出して
「こんなことしてても楽しくないから、歌合戦でもしよう」
それに従うように、一人ずつ好きな歌を歌いだしたが、酔っているためと船の揺れで、まともに歌える者はいなかった。
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