潰し合い

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潰し合い

 「そういや、美菜SNSにこないだ、一緒に撮ったプリクラの写真あげてたよね」  「あげたよ。ごめん勝手にあげちゃって、やっぱり自分がどんなふうに写ってるか気になった? 可愛くみられたいもんね」  「いやそこは別にいいんだけど、美菜、自分の顔だけ加工してたなって」  「そのまま載せたんだけどなー。自分の顔が劣ってるって感じちゃったのかな?」  「美菜は昔から加工がうまいもんね。大学時代からよくやってたもんね」  「じゃあそろそろお開きにしようか?」  秀さんからの提案だった。  ここでお持ち帰りしなければ、終わる!  「そうですね。じゃあそろそろ終わりましょうか。今日はすっごく楽しかったです。有難う御座います! あ明日土曜ですけど、秀さんって何か用事あったりしますか? もし良ければどっちかの家で飲むっていうのもありかなーって」  「えっ2人で飲むのー? ずるいー。私も誘ってよー」  「だってみのり、いつも土曜日趣味の麻雀やってるから」  「ああん?」  「怖い怖い。秀さん、一緒に家で飲みません?」  「そうだなぁ。魅力的な提案だけど今回は断っとくよ。家で嫁や子供も待ってるし」  『は?』  2人の声が重なった。  「え? いやいや、なんの冗談ですか?」  「冗談じゃないんだけど。何か引っかかることあった?」  「あの、もしかして、秀さん既婚者なんですか?」  「そうだよ、言ってなかったっけ」  「はい、言ってません。なんでそんな大事なこと曖昧にしてたんですか!」  「え? そんなに大事かな。言ったつもりだったけど、別にどっちでもいいことかなって」  「そうですか…」  あーダメだ。この人おかしいわ。  「今日は楽しかったよ。2人ともありがとね。亜美さんにもよろしく」  「あざっした」  「う、うん……。また一緒にしたいね」  「そうっすね。また機会あったらってことで、んじゃ」      なんかもう、逆に面白いわ。
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