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勝負の地
お店に入り、早速写真の男二人を見つけた。
「こんばんはー、今日は宜しくね」
色気のある声を意識して、会釈した。
この日のためにセクシーボイスも習得済みである。
「あぁ、どうもこんばんは。宜しくです」
「よろしくー」
なるほど、生で見ると、二人ともやっぱりかっこいい。なんとしても物にしたい。
「早いですね。まだ予定の30分前ですけど。あっどうぞお座り下さい」
「有難うね。ちょっと早く来ちゃった」
これも作戦の一つ。男性陣が予定より早く来るのは予想通り。だから私も出来るだけ同じか、あるいは少し遅れて行き、女性陣を私一人とし、存分にアピールする作戦だ。
私は女性側の真ん中の席に座った。こうする事で、全男性にアピールがしやすくなる。後から入って来る女が座りにくいとか言う意見は知ったこっちゃない。
「じゃあ僕、水持ってきますね」
「有難う。助かるわ」
先程から話している彼は、本当に気が利く。
黒の短髪でイケメンだけど渋みがあり、大人の魅力も兼ね備えている。タイプである。ずっと敬語だけど、真面目だし、気遣いもあり非常に良い。
もう一人の男性は、茶色の短髪。こちらもイケメンだけど、やや若さが見える。性格はまだ何とも言えない。
取り敢えず彼が水を取りに行ってる間、この男へのアピールタイムだ。
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