千景くんの✫*゚☆.*。✫ひみつ

1/18
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ

千景くんの✫*゚☆.*。✫ひみつ

私の名前は遠山(とおやま)花奈(はな)。 中学生になったら、友達がたくさんできて、部活も頑張って、ドキドキするような恋もしたりして。そんな毎日が待っていると思っていたけれど、中学二年生の14歳になっても私はなにひとつ叶えられていない。 「ねえ、昨日のドラマ見た?」 「見た見た!超胸きゅんだよね!頭ぽんぽんとかヤバいよ。されてみたいー!」 「おい、誰かプロレスやろうぜ!」 「やだよ。あれ次の日筋肉痛になるし」 ホームルームが始まるまでの時間。女子は恋愛ドラマの話で盛り上がっていて、男子はじゃれあって騒いでいた。 新学年になりクラス替えが行われて、友達と離れてしまった人たちは残念がっていたけれど、GWが明ける頃にはすっかりみんな打ち解けていて仲良しグループがたくさんできている。 そんな中で私はぽつりと自分の席に着いていた。 しかも席は五十音順なので、〝遠山〟の私はよりによって真ん中の列。どこから見ても死角にならないこの場所では、余計に自分だけが浮いて見えていた。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!