2人が本棚に入れています
本棚に追加
「なるほどなるほど。そんな夢を見たということは、君にとっての『終わり』というのは、そういうものなのかもね」
「……いつも通りと言えばいつも通りの返事ですが、今日ばかりはその返答では不満です」
子供の話を聞いた親のような反応で、なんだか煙に巻かれたような気がした。
きっと今の私の反応も、部長からすればむくれた子供のように思えているのだろう。
それでも不服なものは不服だ。何らかの形で伝えなければ、相手には伝わらない。
「言葉が足りなかったろうね。そうだとも、こうした方が君の食いつきがいい。
からかうのは止すとして、言葉の通りだよ。『終わり』というのは、人により違うものさ。
昔話ならば伝わりやすいだろう。めでたしめでたし、と締められた所でおしまいかどうかだ」
──例えば、桃太郎。
鬼を退治して財宝を手に入れました、めでたしめでたし。
確かに、私はそうは思わない。
最初のコメントを投稿しよう!