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「俊樹、俊樹やったぞ」
ハァ、ハァ、ハァ、、、ああ。
「奴の右目に血が滲んでやがる。もうひと息だ」
「分かってる、、、ハァ、ハァ」
興奮したオヤジは、おれの顔中にワセリンを塗りたくった。
「あのガキは才能はだけだ。経験がねぇ、俊樹!俺らの日々を思い出せ」
うるせぇ、オヤジ。そんなのとっくに忘れたさ。
カーン!
第5ラウンド!
やはり、沖田は早すぎる。手が返せねぇ。
凄い勢いで、迫るチャレンジャー沖田。チャンピオン手がでない。
必死だな沖田。
ーーだが・・・。
チャンピオン構わずに右を狙い、ガードの上から叩いていく。チャレンジャー視界が狭いのかチャンピオンのパンチを避けられない。
チャンピオン!連打、連打。沖田のパンチを受けながらも右を狙い続ける。叩いて、叩く。
ーーおい、おい。まだか?レフリー?
沖田の出血が酷い。もう、右目は見えていないだろう!!
沖田のストレートに
チャンピオン!!カウンターで左ストレート。沖田の右目に炸裂!血が吹き飛ぶ〜。
その瞬間、レフリーが両者の間に入った。
試合終了だ〜。レフリーストップ!!
沖田、マットに崩れ込む〜。
勝った、勝ったよな。
「俊樹〜、俊樹!!やったぞ、やった」
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