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第1章
降りる駅、歩く道、建造物はどれも同じなのに、街並みの景色は季節ごとに移り変わってゆく。
一ヶ月ほど前までハロウィンのカボチャの飾り付けで賑わっていた街並みは、今はクリスマス一色に染まっていた。
お店が密集している場所では自然と人通りが多くなる。
店頭にはサンタクロースの人形や、華やかに飾り付けられたもみの木などが置かれている。
どのお店にもクリスマスソングが流れていて、どれも一度は聴いた事のある馴染み深いクリスマスソングばかりだ。
夜になると色彩豊かなイルミネーションが美しく光り輝き、まるで夜光虫が飛び回っているかのように鮮やかな明滅を織り成すのであろう。
例え世界中の人達がその日を心待ちにして陽気に過ごそうとも、暦は毎年、いつもと変わらない二十四時間として普通に過ごしてきた。
そして今年のクリスマスも、暦は当然そうなるものなのだろうなと思っていた。
今年の春、高校で同じクラスになった赤髪の美形な男子と出逢うまでは ――――……。
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