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耳元で甘い睦言を囁かれて、暦は顔だけではなく全身を真っ赤に染めて小さく頷き、自分自身もリョクに賛同であると意思表示した。
まだ想像でしかないリョクの未来像に自分がいる。ただそれだけの事で暦は有頂天になってしまうのだ。
「何だか、喉が渇いちゃったね」
リョクからの願望を聞いた暦は感激するが、照れ隠しとばかりに突拍子もなく話題を変える。
「まだ開けてないシャンパンが残っているから、一緒に飲もっか?」
リョクは身体もろくに拭かずに丸裸の状態で意気揚々に浴室を飛び出すと、すぐさまシャンパンとグラス二つを手に持って戻ってきた。
のんびり湯船に浸りながらシャンパンを飲むだなんて、まだアルコールの味を知らない少年二人には何てお洒落で優雅で贅沢なのだろうか。
グラスの音をたてて乾杯した後、暦はゆっくりと少しずつシャンパンを口に含み、リョクは豪快に一気に飲み干した。
お風呂で充分温まった身体に冷えたシャンパンが喉越しをひんやりと潤してゆく。
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